元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2017/08/10]
嘘はホント



安倍新内閣発足。「仕事人内閣」だそうな。なるほど、生死をかける自衛隊の組織を掌握できなかった網タイツの防衛大臣、「地震は人口の少ない東北でよかった」と発言した復興大臣、不規則発言の多い総務大臣は去って、答弁に安定感のある大臣に交代した。しかし、仕事人と言っても各大臣が目指す仕事があるのか、思うようにできるかは疑問だ。河野外務大臣を除いて、安倍総理の意向を確かめずにのびのびと仕事をできる大臣はいまい。
 安倍総理自身が、一番の仕事としていた憲法改正を諦めざるを得ないところまで追い詰められている。ただし、安倍さんのやって来たことのすべてが間違っていたわけではない。足かけ5年になる長期政権は国際社会における日本の地位を安定させた。初期の金融政策は株価の上昇をもたらし、地味だが経済は一定程度回復し雇用が増加している。
 インフレターゲットは失敗、プライマリーバランスは実現できない、雇用は非正規が増えるばかり、・・・といくらでもあげつらうことはできるが、他の政権が担ったとしても、これ以上にはならなかったと思われる。
 しかし、問題は「嘘はホント」の社会に堕落させてしまったことだ。言うまでもない、加計学園のこと。「行政の長の思いを周囲が忖度するのは当たり前だ」とむしろ開き直ってしまった方が早く解決したであろう。そして、忖度した犯人を差し出して、「解決」すればよかったのだ。それを岩盤固い守旧派文科省 対 特区で新たな産業づくりをする革新派経済官庁の闘いに問題をすり替え、迷走した挙句、内閣支持率は落ちた。もう国民は飽きてしまったから、ここでおしまいだろうが、これまでの支離滅裂な政府見解の「嘘はホント」になる瞬間だ。
 社会の上部構造が「嘘はホント」をよしとしたためか、社会全体が嘘はホントが平気でまかり通る。世の中は、政治家やタレントの性行動の不行跡を大々的に報道している。「我々は一線を越えていない」という嘘はホントなのか。組織を離れて、情報が寡少になった高齢者の社会では、自分の情報を確認せずにコミュニケーションをするため、たくさんの嘘がホントに化けている。「あの食品で健康になった」「あの化粧品で肌がきれいになった」「あの宗教で奇跡が起きた」。高齢者ならではの嘘がホントは日常茶飯事。おまけに老いぼれのエロスは嘘かと思いきやホントに存在する。それもそのはず、雇用も社会も年寄りを本気で取り込んでくれないから、「健康のための健康生活」「何かいいことあるかもしれないエロス」が年寄りの嘘でもいいからホントの役割になっている。
 一新した安倍政権に、ホントに活躍できる高齢者対策とホントに出生率の回復がもたらされる少子化対策の仕事人を作ってほしい。
 

[2017/07/28]
ゴールのある日本の選択へ



稲田防衛大臣辞任と蓮舫民進党代表辞任という政治ニュースのあった昨日だが、私は、それを超える科学情報を得た。二人の「偉い」女性は日本を変えないが、昨日の安井至東大名誉教授のお話は、日本を確実に変えると思い、私は興奮した。
 エネルギーを軸に持続可能な未来に向けた日本の進路を語った安井先生のレクチュアの概要は、こうだ。先ず、CO2が地球温暖化の原因であることは科学的に証明尽くされた。したがって、パリ協定を離脱したトランプ大統領の言う「気候変動はでっち上げ」は無知によるものと断言。
 パリ協定は気候正義(climate justice)というヨーロッパで作られたコンセプトで成り立っている。日本人は、キリスト教文化と同様、気候正義というヨーロッパ人の教条を先ず理解できていない。正義とは理念であり、したがって協定が目指すゴールを「目標=ターゲット」と訳すのは間違っている。
 ゴールは最終到達点ではなく、飽くまで、目指す地点である。辿りつかないかもしれない。だから、パリ協定が目指す、気温上昇を2度までに抑えるCO2の削減は、到底不可能な数値である。どこまでできるかという問題だ。特に、開発途上国のCO2排出量はうなぎのぼりに上がっていくのを止められない。
 先生は、代替エネルギーについて、誰しもが主張する太陽光発電や風力発電の話ではなく、産油国が石油のカーボン部分と水素を分離し、カーボンを埋め、水素を輸出するCCS技術が進んでいることを紹介。また、水素エネルギーはアンモニア化して搬送できるそうだ。
 その上で、先生はCO2排出ゼロのための3つの選択肢を示す。CCSを使う、自然エネルギー100%戦略、そして原子力依存戦略。3つ目は、日本では、天災を許して人災を許さぬ「穢れ」の考えがあるから、難しかろうと言う。しかし、核ゴミを出さぬ核融合だけのエネルギー開発は第4世代原子力エネルギーとして米国で進んでいる。選択肢としては残る。
 日本に必要なのは、目指す未来のゴールを先に考え今日に下って政策を立てることだと言う。これは予報(forecast)の逆で、backcastという考え方。日本はこれを導入すべきという。また、政策選択する立場の政治家は、票をとれないことはできないので、環境問題に真剣に取り組めない。むべなるかな。科学と技術にはリスクが伴い、言った通りにはならない可能性があるからだ。だからこそ、目標ではなく、ゴール、つまり、できるだけ近づくことを念頭に政策選択をすべきということになろう。
 私は、先生に、「日本は西洋から輸入したものは、議論するより前提条件として飲み込んでしまう。民主主義というjusticeも気候正義(climate justice)と同様に、70年前にさらりと受け入れ、今日の政治の前提になっている」と申し上げた。先生も否定はされなかった。
 
 

[2017/07/24]
遊んで暮らす社会



昨日、留学生による弁論大会が某地方都市で行われた。毎年この大会に出席している私は、優勝者のウクライナ人のスピーチは特に優れていると思った。日本の過労死と「頑張りすぎる文化」について、ユーモアも交えながらきれいな日本語でスピーチした。
 優勝者は、頑張りすぎるのを褒めているわけではない。頑張り美学に無意識に溺れている日本人に警告をしている。日本人は「自分のやりたいこと」の実現のために職業を選ぶのではなく、有名企業等の集団に属することを選ぶ。それが間違いのもとではないかと示唆する。短い留学期間にこれだけの分析をしたのは、称讃に値しよう。
 大会後の懇親会で、私は、「人間が頑張りすぎないで済むAI(人工知能)社会」について話をしていたところ、「人間の仕事が奪われるから、AIを阻止する法律が必要だ」という意見に出くわした。先日、別の会合でも、「AIは情緒的な部分は人間を代替できない。人間の役割はある」という意見に出会った。実は、私は、そうは思わないのだ。
 既にほとんどの工場はロボットだけで生産しているし、将棋もチェスもAIにかなわない。人間は、殆どの労働から解放され、遊んで暮らすことを考えればよいのだ。これまで労働集約的と考えられてきた農業や介護もAIに任せ、人間は労働したとしても一日1時間、週に5時間働けばよい社会が来るかもしれない。
 「それでは生きる意味がない」と言う人も多い。しかし、労働のために労働をするのは正しいのか。あたかも、今の健康ブームが健康のために健康実践をしているのと同じだ。健康も、労働も、そして金も自分の本当にやりたいこと(これを遊びと考えよう)の実現のためにあるはずだ。
 産業革命時に、機械が自分たちの仕事を奪うからと、機械を壊すラッダイト運動が起きたが、むしろ機械のおかげで世の中の仕事は増えた。同様に、AIを発展させることにより、本当にやりたい遊びの時間は増えるのだ。AI社会を迎えて、自分の本当にやりたいことに向き合い、有名会社に属することや「みんなと同じ集団」に属することを目指す日本人の特質を捨ててみるのも面白い。
 優勝者のウクライナ人曰く、「ウクライナは厳しい政治情勢の中にあるからこそ、夫々が自己実現を意識するのだと思う」。借金大国、人口減少、格差拡大の日本は、ウクライナに比べ、まだまだぬるま湯なのかもしれない。有名な企業で、自己実現はないけれど、あくせく働くことに意義を見出している、日本こそ変わった国なのだ。

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 第二の性を生きる [2014.11月〜]
 老人大陸の平和 [2014.7月〜]
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 死生観と行政 [2013.10月〜]
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