元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2017/10/14]
Lean In



   「リーン イン」。2013年にフェイスブック最高執行責任者のシェリル・サンドバーグが書いた本である。タイトルは、前へもたれかかって進め、と女性を叱咤激励する内容だ。
 私は、ここ10数年、女性の生き方論への興味を半ば失っていた。それまでは、70年代、ウーマンリブ最高潮の時期にアメリカに留学し、名実ともにウーマンリブ人生を歩いてきた私だが、2001年、山口県副知事として、男女共同参画条例を制定したことが保守的な土壌で反感を買った。反感の論点は日本伝統社会論を基軸とする些末なものだった。
 そもそも、私は、個人の生き方としてウーマンリブであっただけで、仕事上は、国民の健康と福祉が視点であり、あえて男女共同参画に与する必要はないと考えるようになった。伝統論、文化論は時間の無駄だ。
 同時に、2000年施行の男女共同参画法の考えは、其の後、地方での条例制定を経るにしたがって、下火となり、むしろ反動を引き起こす政策として存在した。戦後から90年代まで燃え盛った「闘う男女平等論」は恐らく、ほぼ消火されたのだと思う。
 これについては、連載の欄(ウーマンリブ敗れたり)に詳述したので、ご参考賜れば幸いだ。さて。そういうわけで、サンドバーグの本は、当初、読む気がしなかった。アメリカで、しかも、民間の競争社会で上り詰めた優秀な女性が、なぜ今更女性の生き方を書くのかと訝しく思った。しかし、昨年の大統領選では、ヒラリー・クリントンは「女性」を意識した演説を繰り返していた。待てよ、ウーマンリブ発祥の地であり、日本は及びもつかないほど女性が活躍しているアメリカであるはずが、なぜ、今も、女性を「洗脳」「激励」しないといけないのかと疑問を持った。
 アメリカでも、いや、アメリカだからこそ、女性は闘い続けなければならない、歩みを止めてはいけない理由があるのだ。アメリカの男性は、日本とは比較にならないほどメイルショウビニスト(男性優越主義者)なのだ。アメリカという国は、男が強く、スーパーマンでなければ、移民や開拓ができなかった歴史があるのだから。
 ユダヤ人の普通の家庭に育ち、公立学校に通ったサンドバーグは、ハーバード大学に行き社会に出て、男女の意識の違いを気付かされる。男は強いのが称賛されるが同じ態度を持つ女性は「生意気」になる。男は自己肯定的だが女は自己否定的だ。チャンスに対して、男は能力如何に拘わらず挑む。女はチャンスを前に恐れる。
 サンドバーグは、男女の生物学的な差異を分析はしない。彼女はMBA(経営学修士)で、ベーシックな学問にはあまりこだわらない。しかし、彼女は、男女の違いの現象に、憤りを感じ、女性が抵抗や先入観をかいくぐっても前へ進むこと、リーン インを促す。
 平易な英語で読みやすい本だが、同時に、日本でも90年代まではこの種の本が平易な言葉でどれだけ書かれてきたことかと思うと、社会は変わらないと嘆いてしまう。しかし、サンドバーグはフォーブズ誌で世界を動かす女性にランクされ、資産も10億ドルを超えるとされる稼ぎ手だ。彼女の言葉には重みがあろう。このサンドバーグですら、こういう本を書かねばならないほど、女性の活躍は社会が難しくしているのだ。
 この本の出版後、サンドバーグは夫デービッドの急逝に遭う。後日、スタンフォード大学の卒業式に招かれた彼女は、いつもの確固とした演説ではなく、人生に第二の選択があるという趣旨の、夫恋しさに涙声になりながらのスピーチをした。「でも、子供がいてよかった」「仕事があってよかった」。
 アメリカですらトップの女性は「女性であるが故」の苦労をしている。ヒラリーもついに「最後のガラスの天井」を破ることができなかった。翻って、日本では小池百合子都知事も、今の情勢ではガラスの天井に阻まれている。
 だが、小池さんは、野田聖子と共に「選択制夫婦別姓」の推進者だ。これまで女性の法務大臣は何人か就任したが、これを進める勇気のある人はいなかった。希望の党の当初の公約にも入っていたのだから、野党の立場にせよ実現を図ってほしい。もっとも、踏み絵を甘んじて受けた民進党出身者は、この次の踏み絵は御免、という状況であろうが。
 日本にも、トップの一存で引き上げられる閣僚や官僚の公務の世界ではなく、サンドバーグのような、民間の競争社会で勝ち抜く女性が出てきてほしい。そして、リーン インを世に伝えてほしい。

[2017/10/09]
安倍失地、小池失速、枝野失楽園



   小池劇場のストーリーが行き詰まり、急激に観客の熱が冷めつつある。希望の党公約が失笑を買う内容であり、民進党難民キャンプから「救われた」政治難民の扱いが悪い(カネをふんだくられている)。
 守旧派都議会を悪者にして勇猛果敢に闘った都知事選とは異なり、小池さんには悪者にすべき対象がいなくなった。安倍さんは敵ではなく、憲法改正の後押しを約し、アベノミクスの批判は批判になっていない。ユリノミクスとは、定義されていないベーシックインカムの保障(国民全員に生活保護を配るらしい)、消費税を上げないで財源は、ワイズスペンディングと国有財産の売却だそうだ。「ワイズ…」とカタカナにしたのは、民主党が政権を取るときの公約「無駄遣いをやめて財源16兆8千億を捻出」と同じであることを隠すため。民主党は無駄遣いを見つけられず自ら消費税に走ったことは記憶に新しい。国有財産はこれまでも極力売却してきたが、それが国家予算の財源にならないことは百も承知だろう。
 安倍総理は、一時、解散して「しまった」と思ったが、今は胸をなでおろす。しかし、敵はむしろ足元だ。選挙は勝っても議席を減らすのは必至で、党内の安倍さんを土俵から追い出す勢力が強くなる。自民党内での失地は免れない。もう衣の下の右翼鎧は使えなくなるかも。
 第三勢力、枝野氏は、政治家としての筋を通した。サヨクは前進がない泥沼政治だが、今回見せた政治姿勢は一番いい。サヨクは零落したかと思いきや、もしかしたら、失楽園でもう一花咲かせるかも。
 民進党難民キャンプの連中は、三つに分かれた。政治理念など何もないから、昨日まで「安保法制反対」の演説をしていても、今日は「百合子のために賛成する」と言ってのける「代議士になることだけが目的」の連中。野田佳彦が拒否した「百合子の股」をくぐった恥も外聞もない多数派だ。次に、選挙に強く、百合子の軍門に下るにはプライドが許さないから無所属で闘う連中。そして民進党左派を独立させた立憲民主党の連中。
 民進党左派は、党を悪化させた一因でもあるが、今度は共産・社民と思う存分リベラル勢力を謳歌できよう。戦いの構図は、むしろ、自公対共・社・立であり、希望は土俵に上がらずに、ムードだけで票を得ようとしている。維新と共に、東京、大阪では強みを持ち、地域政党はできようが、田舎ではさほど浸透できまい。彼らの声高に主張する地方分権とは「大都市主権」のことであり、大都市の利益を主張する政党があってもおかしくはない。
 今の日本に夢や希望をもたらすのは、少なくともこんな稚拙な政治ではない。AIや自然エネルギーの研究開発がこうしている間も進み、世の中を変えていく。国会もAIが運営するときが来れば、今のような茶番は終わるであろう。
 

[2017/09/27]
あわれ、政治難民



   前原民進党代表が苦肉の策を講じると報じられている。民進党の候補者は希望の党へ行って公認をもらえ、ただ民進党に籍は残せ。それが安倍政権を終わらす方法だ、と。つまり、希望の党の名を借りて、自民党を潰せ、そして、いつか民進党に戻って来い、ということだな。
 そうでなくても、既に民進党の公認が確実の連中は民進党難民キャンプに集まり、既に希望の党の戸を叩いている。前原氏がいかに政権交代のためだと言い張っても、一人一人は「選挙に受かりたいから」だけの理由で、希望の党の切符を手にしたい。
 確かに、これまで、都議選現象は次の国政選挙の前哨戦となってきた。今回も、希望の党に入りさえすれば受かるに違いないと浮き足立ち、連中は、政策も政治モラルも考えない。安倍政権と希望の党の政策の違いは究極「脱原発」だけだ。これまで、連合の反対もあって「脱原発」を掲げられなかった連中が、連合の応援を簡単に拒絶することができるのか。
 選挙が決まる前に離党した人々は潔しと認めよう。しかし、いま、民進党難民キャンプにいる人々はあわれである。国民は、自民党の大義なき解散に呆れているが、民進党の自分の命だけが大切な「祖国を捨てた」難民にも怒りを感じるだろう。まして、小池都知事が衆議院選挙に出れば、自民の失策をも上回る失策になる可能性もある。
 政治は何でもありの世界だと言えばそうかもしれない。しかし、自力で解党すればいいだけの話ではないか。それができないからと、他人の褌で解党まがいをやろうとするのは、国民をだます方法以外の何ものでもあるまい。

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