元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2020/09/10]
「不妊治療が少子化対策」は、男の視点



 自民党総裁選候補者3人の討論会が始まった。全体的に目新しいことはないが、こと少子化対策については驚き、寒心に堪えない内容だった。石破氏は抽象的、岸田氏は通り一遍、菅氏は少子化対策の目玉として、不妊治療の保険適用化を挙げた。
 少子化対策とはいかに赤ん坊を生ますかだと菅氏の頭では考えている。不妊治療と中絶禁止の議論は、少子化の背景を踏まえた制度作りよりも、赤ん坊が生まれさえすればよいという短絡的で、生み育ての責任を回避しがちな男の視点そのものである。
 不妊治療の保険適用はそれに苦しむ人には朗報だが、それは、不妊を疾病ととらえ、健康保険の適用を制度内で検討すべきことであって、少子化対策の目玉ではない。少子化対策は、生んでからこの国の労働力となるまでの制度全体を向上させるべき政策なのである。
 その上、既に専門家が発言しているが、もしこれを少子化対策と主張するならば、団塊ジュニアが出産適齢期である90年代に行うべきであった。保険適用の検討は結構だが、少子化対策としては時季外れも甚だしい。
 少子化対策は、今や国民的課題の第一に挙げられてもおかしくはない。しかし、日本の総理になろうとする候補の討論会で認識の低さが露呈した。残念ながら、女性活躍も少子化対策も今後当分期待できない分野となった。国の借金、消費不況と相まって、日本の下り坂は止められまい。

[2020/09/03]
自民総裁選 なぜ歴史を繰り返す?



 自民総裁選は「出来レース」になった。菅官房長官を推す派閥の単純合計で決まった。勝敗の分らぬレースなら、菅氏は出馬しなかったろう。それほどに慎重であり、身の程を知る男である。
 菅総理誕生に貢献した派閥は、人事権を獲得する。菅氏の周りは「決められた」派閥人事で、彼自身は動きもすごきもできまい。それを知ってか、出馬の弁も、安倍政治の継承と自らの質素な出自を語るにとどまった。
 国家観は語られず、外交も疫病対策も経済回復の道も国の借金も語られなかった。しかし、これはまずい。国民は誰しも安倍政治の継承を望んでいない。新たな出発のダイナミズムが求められているのだ。粛々と安倍政治の継承を、菅氏が自ら語った「質素で誠実な」性格で行えば、自民政治の下り坂は止まらない。
 にもかかわらず大きな派閥がこぞって菅支持に回ったのは何故か。1年後に自分の派閥から本格総理を出すのが一つの狙いだ。
 狙いはもう一つある。経済回復の道も借金返しの道も描くことはできないし、疫病をきっかけに、憲法25条が保障する「健康で文化的な生活」の設計図を描くこともできない。コロナで膨らんだ財政赤字の数字やマイナスのGDP以外にも国民に隠された「衝撃的な悪い数字」が山ほどある。隠しきれるのは菅氏しかいない。
 しかも、忖度政治の続きで今切られては困る事業や人脈も継承してほしい。それができるのも菅氏だ。だから、派閥に泥が被らないようにするには、口の固い菅氏一人の責任にすることが望ましいのだ。これがもう一つの狙いだ。
 外国の領袖と肩を並べて交渉するのは、菅氏の経歴からすると難しい。こうした事情を知りつつ総理を引き受けた菅氏は、周囲の政治屋によってボロボロにされていくだろう。政治屋なんかどうでもいいが、国民はどうなるのだ。
 党大会を実施するよう主張して集まった自民党150人の議員たちは、これを機会に新たな政党を作るべきだ。安倍政治の継承は、2006年に小泉政治の継承が行われた歴史と同じ轍を踏む可能性が高い。自民党の良心が結集して新たな政治に進むべきだ。幸い、今の野党に何の力もない。今こそ、真摯な政治集団を作る役割を果たせ。
 
 
 

[2020/08/18]
ウィズコロナ 政治に求められるもの



 日本のGDPが年率換算で27.8%落ち込むことが報道された。4−6月の数値の年率換算であるから、最終的には数パーセントの減になる見込みだ。リーマンショック以上と言われるが、緊急事態宣言で、人為的に経済を停止させたのだから、驚くにはあたらない。

 問題はいかに回復していくかである。アフターコロナなのかウィズコロナなのかは、ワクチンが社会をいつ収めるかにかかっている。今のところは、ウィズコロナでいくしかない。

 ウィズコロナで経済が動いていることは株価指数に現れている。ナスダックが最高値を更新しているのは、GAFA関係、つまり、オンライン会議や巣ごもり通信の需要が高いからだ。
 
 また、日本では、インテリア関係、マスク・消毒液などの日常健康用品や殺虫剤が増収している。明らかに、人々の行動は、内向きになっていて、外食や旅行は避けられている。人々は自分を見つめる、家族を見直す、身の回りの住環境を整えるのに一生懸命である。

 ウィズコロナが自分を見つめるのによい機会ならば、学問や教養を高める機会にすべきという論調も多くみられる。文字文化や読書習慣が戻ってくるかどうかはまだわからないが、明治時代の義務教育の普及や西洋の学問の導入の勢いを思い起こし、新たに教養社会を作り直すことが経済社会の回復につながるであろう。

 そのことを一番知ってほしいのは政治家だ。ワクチンを開発するまでは科学者の仕事であっても、開発の推進やその後の普及、同時に経済回復についての選択は政治家の仕事だ。河井夫妻に象徴されるように、政治家が選挙のためだけに政治をやっている今日の在り方では、日本の回復はおぼつかない。

 政治家になるには、学歴も職歴も問われない。日本社会の代表だからさまざまの人がいてよいのだと思う。しかし、彼らの下につく政策秘書は、博士号取得者、司法試験合格者、国家公務員I種試験合格者を原則としハードルが高い。政治家にはこのような基準は求められていないが、ただひとつ、モラルだけは高くなければならない。

 そのモラルは教養に裏打ちされるものなのだ。だから、国の方針に関わる政治家は十分に勉強する必要がある。選挙のための政治では、ウィズコロナの日本は絶望だ。

 安倍首相の祖父岸信介は、記者会見の場に臨むと、その語り口に教養が漂っていたと当時の記者たちの思い出話が残っている。岸は、東大法学部首席を民法学者我妻栄と争った銀時計組だが、何よりもその語彙の豊かさに記者たちは驚いたと言う。

 失礼ながら、教養漂う語り口の政治家は消えた。自らを「ボキャ貧」と称した小渕首相をはじめ、ITをイットと言った森首相、スローガン創造者の小泉首相、未曾有をミゾユウと読んだ麻生首相など、近年の漫画文化に沿った話しぶりに代わった。時代の変遷か、それとも教養主義の排除か。

 ウィズコロナで立ち上がる次の首相は昔ながらのモラルと教養を身に着けた人であってほしいと願う人は多いはずだ。

 

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