元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2019/02/20]
人口減少社会に若者の提言



 若者に人気のメディアアーティスト、落合陽一さんの話を直接聴く機会を得た。単著も多いが、ホリエモンと共著を出したり、小泉進次郎と対談したりで知られ、筑波大准教授とメディアアートの会社社長を兼ねる。メディアアーティストとは聞きなれない職業だが、メディアを使って人口減少社会を乗り切るための、技術者でありデザイナーであると筆者は解する。
 若干31歳の落合氏は、ソーシャルメディアで育ち、その使いこなしで、人口減少社会を克服する方法を説く。例えば、子育てには、ソーシャルメディアのコミューニティでベビーシッターを見つけ、母親一人の孤独な子育てから昔の家族や共同体に囲まれた子育て環境を作り上げることを提案する。
 高齢者に対しては、もっとAIを駆使することを提言する。自動運転の車椅子で散歩させ、一人のスタッフが何人もの高齢者を画像で管理する。保育にせよ、介護にせよ、人海戦術だけにとらわれず、人材不足を解決する方法はいくらでもある。
 落合氏は言う。「介護に器械はダメだ、子育てに知らない人を入れるのはダメだと主張して、若者のアイディアを邪魔しないでほしい」。確かに、中高年の意見が新たな方法論の導入を邪魔してきたために、人口減少社会の解決策が見つからなかったし、だから最近の外国人労働者活用政策に移ってきたのだ。
 落合氏の提言の基礎にあるのは、ソーシャルメディアを使ったコミューニティづくりには新たな費用が掛からない、また、器械を導入すれば初期費用の後は人件費が掛からない、つまり一人の受益者の新たな参加のために限界費用がゼロになるということだ。財政難、人材難の時代に、限界費用をゼロにすることが必要である。
 確かにそのとおりであり、我々は、日々、ユーチューブやウィキペディアなどの情報を費用ゼロで受益しているのと同じことをやればよいという発想だ。ソーシャルメディアに悪者が参加して子供に危害を及ぼすかもしれない、器械が暴走して老人にケガをさせるかもしれないという危惧は確かにあるし、具体的な事件も起きたことがある。
 しかし、それには監視システムなど予防方法を編み出せばよい、それこそがAI時代の「人間の」仕事であろう。落合先生の提言を取り上げるべきだ。日本人はものづくりにこだわり、手で触って仕事をしなければ仕事ではないと考えてきたが、モノではなくサービス中心の人口減少社会での仕事は、ソーシャルメディアや器械(AI)に代替させる機は熟した。人口減少社会の現実なのだ。
 北欧では、日本よりはるかに、介護に器械を採り入れているし、一人暮らしの認知症でも、鍵のかけ忘れの自動防止、アイコンひとつで掛けられる電話など、自立できる工夫が導入されている。日本は、もう「人の世話は人の手で」の考えを辞める時期であろう。
 ただ、AIが十分に活用される社会になっても、人間らしさのために人間が行う仕事は残る。よく言われることだが、老人には、「教育(今日行く)」ところがある、「教養(今日用)」があるの二つが必要である。そこには笑顔で迎える人間が存在していなければならない。
 ソーシャルメディア世代の落合氏と何でもマニュアルで育った老人とでは、生身の人恋しさが違うが、それは程度の差として、落合氏の提言は的を得ていると考えられる。

[2019/01/20]
自由からの逃走



 昨日、ある会合で、国際関係論の専門家が「現在は自由からの逃走の時代だ」と発言した。久しぶりに聞く「自由からの逃走」に心躍った。言うまでもなく、1941年、社会心理学者エーリッヒ・フロムが著した本のタイトルである。
 フロムはユダヤ人で、ナチスドイツを逃れ、アメリカで活躍した人である。50年も前に読んだ本だから、詳細は覚えていないが、ナチスの研究から発し、人々は、与えられた自由を使いこなせず、むしろその自由から逃げて束縛の中に安定性を見つけるとの趣旨であった。当時は、この本に心酔し、私の青春期学問の一つの宝物にもなった。マルクスやフロイトをベースにしていることから、今は若者に読まれていないのではないかと思われる。
 1648年ウェストファリア条約に始まった国民国家、主権国家の概念が崩壊しつつあることはよく知られる。グローバリゼーションが国境を越えて人、物、金の流れを作り、抗えぬ勢いの中にあるからである。西洋社会中心に続いてきた従来の価値観、資本主義や民主主義も崩壊しているとの考えが目立つ。「自由からの逃走」は、まさに行き先に迷う我々が選択しがちな方法である。
 与党内の議論不足が明らかなのにリーダーの尻馬に乗る人々。野党は常に後手に回って有効な反論すらできない。こんな政治を垣間見ながら、社会のモラルが崩壊し、基盤を失った人々が趨勢に身を預けている状態だ。まさに「自由からの逃走」現象そのままだ。
 50年ぶりに甦ったこの言葉を今年の銘としたい。自由に発想し、論理から逃げない。

[2018/12/18]
CE(サーキュラーエコノミー)とは



 最近、物財研名誉研究員でありサステイナビリティ技術設計機構代表理事の原田幸明先生の話を伺う機会を得た。かなり難しい内容だった。
 日本は、70年代のオイルショック以来、省エネ化に成功し、その先端技術を担ってきた。80年代の日本独り勝ちはまさにその日本の取り組みによってもたらされたと言っても良い。世界はキャデラックから日本の小型車に代わったのはいい例だ。
 そもそも日本は、江戸時代に物の修繕や人糞の肥料化など世界にも注目される循環型社会を作っていた国であるから、省エネやリサイクル技術が得意な民族であったわけだ。
 ところが、今年9月、フランスの提案によって、ISO(国際標準化機構)でCE(サーキュラーエコノミー)の標準化が採択され、日本やアメリカは反対したが、90年代から資源効率の改善を意識してきた欧州に日本は座を奪われた状況になった。事実、90年代は日本が見本とされていた資源効率は、近年、欧州に負けるようになった。
 原田先生によると、従来の「循環」型社会から分岐し「CE]がそのまま使用されているが、実際に、この二つは根本的に異なる。単に資源を循環させるにとどまらず、CEは技術を投じて多様な付加価値を生むという発想である。
 「循環」との違いは、さらに、欧州でよく使われるデカプリングの方法が使われているところにある。カップルを切り離すと言う意味のこの言葉は、具体的に、経済成長と環境負荷の増大はカップルであったのを、環境負荷を増大させずに経済成長をもたらそうとするものである。
 欧州では、長らく農業のデカプリングとして生産と切り離して所得補償をする制度を行ってきた。まさにその方法論である。日本では、欧州の制度を採り入れ、民主党政権の重要な政策の柱とし、農業者所得補償制度を導入したが、立法化できず予算措置にとどまり、持続する政策にはならなかっという例もある。
 CEにおいては、循環が再資源化や最終処分の減量に留まるのに対し、リビルド、リペア、直接使用などを通して物の残存価値を徹底的に引き出す。また、PAASと言って、製品を売るのではなくサービスを売るのがCEである。原田先生曰く、従来ならば、何かを切るためにはハサミを買うという発想になるが、実は「切る」というサービスを買うのが直接的欲求に合っている。つまり、物の丸売りではなく、その機能、そのサービスを売るプラットフォームを作るのがCEの役割である。
 海岸に打ち寄せる大量の使用済み製品を思い浮かべるとき、CEは夢の解決方法のようであるが、実際に解決する技術力に到達するか、難処理廃棄物を拡散させないかなどの問題があると原田先生は指摘する。
 カタカナ政策やローマ字政策は今まで成功したためしがない。企業が成長して行政指導が不要になった旧通産省では、80年代やたらにカタカナ政策が打ち出されたが、筆者が知る限り成功した例は聞いていない。だが、CEは、学問的にも政策的にもコンセプトの土台が堅固だ。日本はISOでの採択に反対したが、日本語で噛み砕いて分かり易いものにしたら政策的に使えるかもしれない。政府が推進している「ソサイエティ5.0」も分かりにくく人口に膾炙しないが、これもまた世に伝える役割を、政治家や官僚にもたせるべきではないか。
 難しいが、CEをもっと学ぼう。

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