元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
プロフィール 日々雑感バックナンバー 後援会募集
日々雑感
[2022/01/07]
謹賀新年 2022年



 新年おめでとうございます。
 オミクロン株の登場で、世界はコロナ禍のトンネルを抜けられないまま新年を迎えました。経済回復の兆しが見え、コロナが惰性に陥りつつあるのも観測されますが、他方で、心を病み、経済的に苦境に立ち、子供の教育が困難になるなどの問題が顕在化しています。
 国民の安寧と健康、所得の向上と福祉を目指す岸田政権は強面の安倍・菅政治を塗り替えていくでしょう。党内の谷垣グループや麻生派を吸収しながら岸田首相の属する宏池会政治は、長く続けば欧米に立ち遅れた経済成長と労働生産性をより良い方向に乗せることができるかもしれません。
 切れ者の茂木幹事長は竹下派を率い、宏池会政治にパワーをもたらす存在ではないかと考えられます。幸いにも消えてくれた二階氏と甘利氏、影響力低下の安倍氏を追いやって、岸田首相が真ん中の道を堂々歩いていけるかは、人材を過たずに使いこなすことにかかっています。野党は学知が危うく、政局は遠のいています。
 今年も、この欄では、政治、少子化、科学政策などのトピックを中心に書いていくつもりです。連載のQUADとともにご愛顧くださいますと望外の喜びです。
 2022年、日本が活躍できますように。皆様の安定した生活が実現されますように。

[2021/12/24]
バイデン政権どこへ行く



 西谷眞規子神戸大准教授による、気候変動から観たアメリカの政治を聴く機会を得た。バイデン大統領は、多様性と人権を掲げ、国際協調を重視して、トランプ前大統領に勝った。もっとも、圧勝したわけではなく、今も根強いトランプファンがいて、次期大統領選は早くもバイデンが危ないと報道されている。
 気候変動については、トランプが脱退したパリ協定に復帰し、バイデンは、気候変動リーダーズサミットでアメリカの排出量とネットゼロ引き上げ(2030年までに2005年比50~52%削減、2050年までにネットゼロ達成)を約し、この分野での積極的取り組みを明らかにした。
 そもそもアメリカでは、民主党が環境保護、共和党がアンチ環境主義で、政権が変わるごとに政策は替わってきた。共和党は、レーガンが環境予算の大幅削減、ブッシュ(父)が1992年の地球サミットで削減目標の導入に反対、ブッシュ(息子)は京都議定書を離脱した。
 民主党は、クリントンが京都議定書に署名したが、議会に批准拒否された。オバマはグリーン・ニューディールを打ち出したが議会と対立した。この間、クリントン政権時代の副大統領アル・ゴアが気候変動に取り組み、ノーベル平和賞を受賞している。また、アメリカでは非政府である企業、団体あるいは州政府がトランプ政権時代にも独自の気候変動対策を講じていて、その活動は大きい。企業ではウォルマート、団体ではセリーズ、州ではカリフォルニアなどである。
 共和党と民主党のシーソーゲームではいささか共和党の方が強いように見える。欧州に倣ってバイデン大統領はEV(電気自動車)のシェア5割を目標にしているが、欧州の目標に及ばない。民主党支持の労働組合の反対があったからだと西谷先生は指摘する。しかも、バイデンの支持率は低下し、コロナ対策の予算も民主党内から反対が出るなど政権運営が厳しい中で、気候変動に積極的に取り組める状況にはない。
 バイデン大統領は、米中政策こそトランプ前大統領を継承したが、一部の知識人に受けるだけの環境政策や多様性のための政策は道険し、である。
 米中覇権争い、コロナ禍、気候変動などグローバルな問題が多い中で、バイデンならずもアメリカだけがリーダーになれる時代が去ったという見方もできる。
 

[2021/12/09]
共同養育こそ解決策



 社会を騒がす児童虐待が起きると、やれ児童相談所の介入が遅い、やれ親業の教育が必要だと議論が巻き起こる。しかし、しばらくすると、次の虐待が起きるまで議論は沈潜する。その繰り返しで、虐待は永遠に解決しない。
 もっとも、動物の世界でも育児放棄が観られるのであるから、この問題は完全な解決はないのかもしれない。ただし、人間は社会を構成する生き物だから、社会が集団で改善の方向を取ることはできるはずだ。
 今般、友田明美福井大学教授の「マルトリートメント」のお話を聴く機会を得た。友田先生は虐待や不適切な子育てという言語は上から下への目線なので、代わりにマルトリートメントという英語を使うことにしているそうだ。小児科の臨床医らしい配慮だ。また、脳科学の研究においても、臨床経験に裏打ちされ、納得のいく内容であった。
 先生の脳科学研究によると、暴言は脳の聴覚野を変形させ、厳しい体罰は前頭前野を縮小させ、親のDVを見聞きすると視覚野が縮小するとの結果を得ている。また、身体的な暴力よりも怒声や暴言の方が子供の脳に深刻な影響を与える。脳科学の発達により、心理学的研究にとどまらず、生物学上の立証をもたらした大きな成果と言えよう。
 友田先生は臨床医らしく、この研究成果から「解決策」を提唱する。子供の持つべき愛着の再形成とマルトリートメントの予防には、学校、保育所、児童相談所などコミューニティの社会資源を総動員し、「とも育て」をすることである。これは、筆者がこの欄でも紹介した明和政子京大教授の人類学からはもともと共同養育の遺伝子を持っていることにつながる。
 また、明石要一千葉大名誉教授の「ナナメの関係構築」では、親子の縦関係、友達などの横関係以外に、第三者的なナナメ関係を持つことが健全育成に貢献するという識見とも一致する。即ち、母子関係で完結させてはいけない、一対一の子育てこそ危険であることが多数の分野で明らかにされている。
 筆者が厚生省児童家庭局の企画課長をしていた90年代半ばでは、まだ「三歳児神話」がまかり通る時代であり、保育所無用論も多かった。しかし、今の科学でこれは完璧に否定されたのである。明和先生の共同保育者には、小さな兄姉も含まれている。子供は一歳を過ぎれば、子供の世界に最も興味を持つ。少子社会では、兄弟が少ないことから、子供の心を満たすのは保育所なのである。保育所は「保育に欠ける児童の福祉施設」を脱し、すべての子供に与えるべき「場所」に変えねばなるまい。
 友田先生は、もう一つ提言している。マルトリートメントは、親にも視点を当てねばならない。マルトリートメントを受けた親は子供に同じマルトリートメントを実行する。子育てや結婚は、狭い世界で見た経験を繰り返す傾向がある。一般論だが、離婚した家族の子供は離婚しやすく、社会養護で育った子供は自分の子供も社会養護に送りやすい。連鎖を断ち切るには、親への支援策もセットで行わねばならない。
 かつて児童福祉行政に身を置いたとき、母親が子育てすべきで保育所不要論を主張した勢力に、集団保育のメリットを掲げ反論していた筆者は、今、自信をもって共同養育、ナナメ関係、とも育てを勧めることができる。

→バックナンバー
大泉ひろ子物語
YouTubeにて発信中!
大泉ひろ子-市政について
大泉ひろ子-つくば市への想い


政策チラシ 9号[ダウンロード]

[バックナンバーはこちらへ
]

QUAD 日米豪印
民主党を辞めた理由
新しいつくばをつくるみんなの会
少子化政策の提言
アーカイブズ内容
 2024年 Twenty Twenty-Four
  [2020.11月〜2021.7月]
 エージングパラドックス
  [2019.2月〜2020.10月]
 リベラチェ アット ハート
 (天才ゲイの人生)
  [2018.3月〜2019.1月]
 ウーマンリブ敗れたり
  [2016.11月〜2017.1月]
 孫のいない時代
  [2015.4月〜2016.2月]
 第二の性を生きる
  [2014.11月〜]
 老人大陸の平和
  [2014.7月〜]
 少子高齢と地方
  [2014.4月〜]
 ザ・コーセーショー
  [2014.2月〜]
 戦後生れの終戦後
  [2013.12月〜]
 死生観と行政
  [2013.10月〜]
 団子より花へ
  [2013.6月〜]
 長寿の涙
  [2012.1月〜]




(↑)このページのTOPへ

プロフィール 日々雑感バックナンバー 後援会募集 HOME

(C)2009. HIROKO OOIZUMI. All rights reserved.