元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2019/03/23]
自然エネルギーの道



 最近、自然エネ庁と公益財団法人自然エネルギー財団のレクチュアを聴く機会があった。日本でも、太陽光エネルギーのコスト低下は進み、中国などにはかなわないにしても、早晩、原発をはるかに上回るエネルギー効率が期待できる。全世界的には、既にコストや熱効率の観点からも原発をしのぎ、化石燃料に代わる代替エネルギーとしての地位を収めつつある。
 エネルギー政策は国の重要な決定事項である。デンマークは風力発電を主電源とし、フランスは原発に重点を置き、中国はエネルギーミックスに配慮しながらも強烈な勢いで太陽光を始め自然エネルギーに舵を切っている。
 日本はどうなのか。自然エネルギーの発展は目覚ましいが、ドイツのように、目標値をもって代替エネルギーの開発を図っているのではない。ここが民間開発企業の不満を生じさせている。政府のコミットなしには、リスクをすべて自ら負って開発しなければならないのと、補助金などの呼び水なしに国際競争力をつけるのは難しいからだ。
 日本は原発再稼働に向かっている。海外への原発売込みも積極的に行っている。しかし、昨年末、イギリスでの日本の原発設置計画が凍結されたように、世界の原発へのしり込みは明確になってきた。スリーマイル、チェルノブイリ、そして極め付きが福島原発事故で、他の自然エネルギーのコストパフォーマンスさえ良ければ、あえて原発を選択しない流れにあろう。
 もちろん、原子力工学をおろそかにしてはならない。将来の廃炉技術や新たな分野での必要性を否定できるものではない。しかし、是非を度外視しても、日本の自然エネルギーの取り組みが先進国や中国の後塵を拝しているのは、原発再稼働の政策があるからだろう。
 民間は、2017年から、日本でも、RE(Renewarable energy)宣言をする企業が続出し始め、自然エネルギーの活用に身を乗りだしている。昨年、筆者が出席した国際シンポジウムでは、オゾン層の発見でノーベル賞を受賞した、マリオ・マリナ博士が「97%の科学者は、地球温暖化は人為であると確信している」と話した。つまり、自然エネの開発には科学者の協力を存分に受けられるということを表している。
 自然エネルギー財団では、地球温暖化の観点から、CE(サーキュラーエコノミー)の研究も始めているが、関連の農業分野などの研究はこれからの課題であると言う。そして、民間が頑張っても、科学者が頑張っても、一層必要となるのが政府のコミットメントだと言う。
 トランプ大統領や安倍首相の本音を聞きたいところだ。


     

 

[2019/02/27]
持続可能な開発目標とは?



 平成30年版科学技術白書を開くと、SDG、ソサイエティ5.0という言葉が先ず目に入って来る。日本の科学技術の方針にあたるものだからだ。
 SDGは持続する開発目標の略であり、2001年、国連が開発途上国向けの2015年までの8つの目標(MDG)を策定したのに続き、2015年から30年までの、気候変動などを加えた新たな17目標のことである。
 国連本部のロビーにはカラフルな17色の目標が掲げられ、国連に協調的な日本は早速これを政府の方針として採り入れた。国連では、SDGの達成にSTI(科学技術イノベーション)の方法を用いることにし、科学技術に強い日本の活躍は注目される。
 政府が目指す日本は「ソサイエティ5.0」。この欄でも紹介したことがあるが、高度テクノロジーを使った超スマート社会のことで、社会的課題を解決していく。経団連では、SDGのためのソサイエティ5.0と名付けて、この二つを結び付け、健康、エネルギー、防災などの分野の活性化につなげようとしている。
 いいことづくめのようであるが、果たして、日本人のどれだけの人がSDGやソサエティ5.0を知っているだろうか。政府のPRが足りないばかりではなく、説明も分かりにくく、具体的イメージが浮かばないのが欠点だ。また、国連や政府の目標がいいことづくめなのはいつもそうであって、どこまで達成したかはいつも不明なまま終わっている。
 ドイツでは既に求心力を失ったメルケル首相だが、演説の度に「インダストリー4」を目指すと言ってきた。これは、産学官連携のものづくり高度化社会のことで、この方がずっと分かり易い。
 しかも、SDGの17目標には、健康、食料、気候変動、エネルギー、防災、ジェンダー等世界共通の社会課題が取り上げられているものの、日本にとって最大の社会課題である少子高齢社会は入っていない。あらゆることの標準化が欧州で行われる如く、ここでも、欧州中心の課題選定が行われていることは明らかだ。一昨年、国連女性の地位委員会にNGOの立場で赴いたときに、「日本はSDGの中でもジェンダー問題は遅れていますね、欧州に比べると」と言われることになった。どうして日本は国連の優等生のはずなのに、こうも存在感が薄いのか。
 SDGの一般化された目標よりも先に日本は少子高齢社会に取り組むことをを第一にしなければならない。また、イノベーションを使ってSDGに貢献する考えはいいが、イノベーションは各国競争の分野である。国連との連携以上に、新たな産業を興す日本のためにイノベーションを使っていくことの方が先決だ。
 国連10人委員会のメンバーであり、JST(科学技術推進機構)元理事長の中村道治先生にそう申し上げたら、「国益とは、日本が国連の目標に向かって頑張っている姿を見せるのも一つの国益ではないか」と言われた。国際社会の現場で日本の国益が傷つけられているのを多く見た(最近の日韓関係もそうだ)筆者は、達観できない境地である。
 

[2019/02/20]
人口減少社会に若者の提言



 若者に人気のメディアアーティスト、落合陽一さんの話を直接聴く機会を得た。単著も多いが、ホリエモンと共著を出したり、小泉進次郎と対談したりで知られ、筑波大准教授とメディアアートの会社社長を兼ねる。メディアアーティストとは聞きなれない職業だが、メディアを使って人口減少社会を乗り切るための、技術者でありデザイナーであると筆者は解する。
 若干31歳の落合氏は、ソーシャルメディアで育ち、その使いこなしで、人口減少社会を克服する方法を説く。例えば、子育てには、ソーシャルメディアのコミューニティでベビーシッターを見つけ、母親一人の孤独な子育てから昔の家族や共同体に囲まれた子育て環境を作り上げることを提案する。
 高齢者に対しては、もっとAIを駆使することを提言する。自動運転の車椅子で散歩させ、一人のスタッフが何人もの高齢者を画像で管理する。保育にせよ、介護にせよ、人海戦術だけにとらわれず、人材不足を解決する方法はいくらでもある。
 落合氏は言う。「介護に器械はダメだ、子育てに知らない人を入れるのはダメだと主張して、若者のアイディアを邪魔しないでほしい」。確かに、中高年の意見が新たな方法論の導入を邪魔してきたために、人口減少社会の解決策が見つからなかったし、だから最近の外国人労働者活用政策に移ってきたのだ。
 落合氏の提言の基礎にあるのは、ソーシャルメディアを使ったコミューニティづくりには新たな費用が掛からない、また、器械を導入すれば初期費用の後は人件費が掛からない、つまり一人の受益者の新たな参加のために限界費用がゼロになるということだ。財政難、人材難の時代に、限界費用をゼロにすることが必要である。
 確かにそのとおりであり、我々は、日々、ユーチューブやウィキペディアなどの情報を費用ゼロで受益しているのと同じことをやればよいという発想だ。ソーシャルメディアに悪者が参加して子供に危害を及ぼすかもしれない、器械が暴走して老人にケガをさせるかもしれないという危惧は確かにあるし、具体的な事件も起きたことがある。
 しかし、それには監視システムなど予防方法を編み出せばよい、それこそがAI時代の「人間の」仕事であろう。落合先生の提言を取り上げるべきだ。日本人はものづくりにこだわり、手で触って仕事をしなければ仕事ではないと考えてきたが、モノではなくサービス中心の人口減少社会での仕事は、ソーシャルメディアや器械(AI)に代替させる機は熟した。人口減少社会の現実なのだ。
 北欧では、日本よりはるかに、介護に器械を採り入れているし、一人暮らしの認知症でも、鍵のかけ忘れの自動防止、アイコンひとつで掛けられる電話など、自立できる工夫が導入されている。日本は、もう「人の世話は人の手で」の考えを辞める時期であろう。
 ただ、AIが十分に活用される社会になっても、人間らしさのために人間が行う仕事は残る。よく言われることだが、老人には、「教育(今日行く)」ところがある、「教養(今日用)」があるの二つが必要である。そこには笑顔で迎える人間が存在していなければならない。
 ソーシャルメディア世代の落合氏と何でもマニュアルで育った老人とでは、生身の人恋しさが違うが、それは程度の差として、落合氏の提言は的を得ていると考えられる。

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