日々雑感
[2024/10/28]
誰が保守を担うのか
総選挙の結果は大方の予想通りになった。与党過半数割れである。選挙終盤の裏金議員への二千万円支給が決定打となった。自民党の身内びいき、温情主義が仇になった。
特別国会での首班指名まで政党間の駆け引きが続く。維新、国民民主、共産は「野田」とは書くまい。政党の看板に傷がつく。維新、国民は「ゆるふん」の自民とは異なる保守を目指す政党だ。共産は、極左の立場から、右から左までゴタ混ぜの曖昧左党立民を嫌う。
石破がかろうじて首班に指名されたとしても、党内はもたない。裏金=安部派の復讐が待っている。では、今後、日本は誰が保守を担うのか。少なくとも、総選挙は、自民が「健全な保守」ではなかったことを明確にした。安部派=高市を除いたものの、右翼を整理しただけで、その残りも健全とは程遠い存在だった。日本の有権者は、きちんと審判したのだ。
安部元首相が亡くなって初めて、立民は「民主党政権という悪夢」の形容詞を外すことができた。二度と党勢拡大はなかったはずだが、大きな敵失が彼らを救った。しかし、右翼を切った自民を真似できず、左翼を切ることはできなかった。
野田は党内右派を代表して、穏健さを前面に出し、悪夢の看板を下ろしにかかった。その意味では、選挙戦は成功したと言ってもよい。しかし、問題はこれからだ。右から左までの党内はまとまるまいし、そもそも野田氏は、旧民主党を瓦解させた張本人であり、自己主張のみで集団力のない立民の信望を得ていない。
まもなくもっと大きな選挙、アメリカの大統領選がある。ハリス旋風は凪になった。なぜか。人々はさすがに多様性の「行き過ぎ」には辟易だ。トランプの下品さとバランスさせたときに、極左ハリスの価値観が容易に勝てるとは思えない。ここから学べば、立民は左翼の切り捨てをしない限り悪夢の看板を下ろすことはかなわないと断言する。
右翼を切ったがゆえに苦しむ石破首相、左翼を切れないがゆえに展望が開けない野田氏。党内民主主義を主張するあまり、自分の意見を捨て国民の民主主義によって罰された石破。ドジョウが金魚を食べてやるの稚拙な例えでイデオロギーの欠如をにおわせた野田。融通の利かない二人の政治家が今後の日本に影響を与えていくとは、冬の時代の到来ではないか。何よりも、健全な保守は誰が担っていくのか。誰が作り直していくのか。泉下で西部邁先生が地団駄踏んでいることだろう。
新党を創る暇もないとすれば、今あるカードの中で、自民の中では評判の悪い茂木敏充を登場させることだ。
苦難の道の案内は、頭脳明晰、国際性抜群の人材を選ばなければ、日本は滅びる。
[2024/09/29]
安倍政治の終焉
与党内野党の石破茂が、5回目の挑戦で総理の座を勝ち取った。勝つべくして出馬した高市早苗の顔は蒼白であった。この結果の意味は、単純に、安倍政治の終焉であると筆者は観る。
安倍政治の正統な後継者高市は、政治とカネをはじめとする安倍の負の遺産については及び腰だった。日本をもう一度世界のトップに押し上げるという安倍の理想だけを強調した。対して、石破は、アンチ安倍政治であることは明らかだが、明確な方針を語ってはいない。
大平首相以来の「言語不明瞭な」総理の誕生だが、言葉にならない彼の真意を読み取って、いささかの期待をかけるしかあるまい。これまで世の中とかけ離れた自民党内の超右翼集団に対峙し、政治とカネの国民的納得と、夫婦別姓や愛子天皇の実現までやれれば、自民党は、より国民に近づき、保守政党として息を吹き返すかもしれない。
沖縄を棚に上げて、グアムの米軍基地で自衛隊の訓練をやるなどの案は、筆者が思うに、彼の言動が決して欧米社会に好まれない様相であるだけに、外交防衛の分野では、思わぬ障壁に遭うのではないかと危惧する。菅首相と同じく、サミットの輪からはじき出されないようにと願う。
少なくとも、今度の総裁選である程度の刷新感は出た。石破を選んだ自民党のしたたかさだろう。他方の立民は、総理になる可能性が出てきたからと、創設者枝野を差し置いて党首になった野田元首相は、悪夢と言われた民主党時代と変わらず、「金魚の比喩、分厚い中間層」のスローガンを維持している。
言語の下手な石破は早稲田雄弁会の野田に討論では負けるのではないか。しかし、政治経験、思慮深さでは野田を凌駕する。石破に望まれるのは、いま野党が主張しているようなことは大したことはないから皆やってしまえ、ということだ。ただし、財政規律と消費税引き上げ論者の野田の議論に乗るならば、総理の任期は短期になるであろう。
安倍政治は高市の敗退とともに終わった。この機を石破がどれだけ活かせるか、期待と不安が入り混じる。
[2024/08/27]
やめてけれ
やめてけれ、やめてけれ、やめてけーれ、ジコジコ(自民党総裁選候補)
国民は政治とカネの真の決着を求めているが、それを言っちゃあ、党内で選ばれることはないから、憲法だ、経済だとテーマを取り繕った総裁選なら、少なくも国民の前に報道する必要なし。
やめてけれ、やめてけれ、やめてけーれ、ゲバゲバ(下馬評では、昔総理が出馬)
国民総スカンを食った昔の名前の男が再び総理を夢見て立民の党首選に出てくる。尖閣に中国を迎え入れたことを謝罪してからにしてほしい。
神様、神様、助けてパパヤー。
これは1970年に流行った左卜全の歌のリメイクである。
→バックナンバー
2016年ポスター
政策チラシ 9号[
ダウンロード
]
[
バックナンバーはこちらへ
]
アーカイブズ内容
2045年の浦島太郎
[2023.5月〜2024.2月]
人口問題に挑む
[2022.8月〜2023.5月]
QUAD 日米印豪
[2021.8月〜2022.7月]
2024年 Twenty Twenty-Four
[2020.11月〜2021.7月]
エージングパラドックス
[2019.2月〜2020.10月]
リベラチェ アット ハート
(天才ゲイの人生)
[2018.3月〜2019.1月]
ウーマンリブ敗れたり
[2016.11月〜2017.1月]
孫のいない時代
[2015.4月〜2016.2月]
第二の性を生きる
[2014.11月〜]
老人大陸の平和
[2014.7月〜]
少子高齢と地方
[2014.4月〜]
ザ・コーセーショー
[2014.2月〜]
戦後生れの終戦後
[2013.12月〜]
死生観と行政
[2013.10月〜]
団子より花へ
[2013.6月〜]
長寿の涙
[2012.1月〜]
(↑)このページのTOPへ
プロフィール
日々雑感バックナンバー
後援会募集
HOME
(C)2009. HIROKO OOIZUMI. All rights reserved.
▼