元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2018/07/18]
成育基本法ーもうひとつの少子化対策



 昨日、日本小児科医会名誉会長の松平隆光先生のお話を聴く機会を得た。先生は来年の通常国会での成立を望む成育基本法に期待をかけている。
 もう10年以上も前から、医師会等を中心に小児保健法の検討が行われ、途中から、「胎児から成人まで」という発想から成育基本法と名を変えて、子供の医療を中心とした一貫した育みを目指してきた。昨今の乳幼児虐待死や子供の貧困問題など社会問題の解決に新たな政策集中を図る内容である。
 いわば、少子化政策は人口政策として、子供を量的に捉える課題だが、少ない子供を一人残らず立派に育てるための「質的な課題」に取り組むのが成育基本法である。その目的は、国、地方公共団体、医療関係者の責務を明らかにし、成育過程にある者の保健、医療及び福祉施策を総合的に行うというものである。
 基本法だから抽象的だが、生命・健康教育、子育て支援体制、周産期医療の充実など成育基本計画を策定して、目標値に到達していくことを狙う。
 では、具体的に何が問題なのか。筆者が厚生省で児童行政に携わっていた頃、問題の一つとして、学校保健法が文部省(当時)の所管で、子育て政策を一貫してできない縦割りの壁にぶつかった。子供の糖尿病や、中学3年生の女子のダイエットなどが統計上認知されても、取り組みの場がほとんど教育現場に限られるため、厚生省からの関与が限られていた。成育基本法の成立によって保健所や医療機関の取り組みを強化することが望まれよう。
 子宮頸がんワクチンの問題も、なぜ中学3年生の女子が対象なのか、副作用は本当にないのか、「産む性」を守る教育も施すべき中、ワクチンの早期取り組みだけを行う意味は何なのか、十分な議論が行われたとは言えない。厚労省と文科省の連携が不十分である。これも、成育基本法の成立によって、国の責任の明確化のところで解決していくべきである。ということは、今の成育基本法案に欠けているのは、医療と教育の連携であり、文科省をもっと巻き込まねば、厚労省だけの「基本理念」、またぞろ「お経」だけで終わってしまう可能性がある。
 責務を国、地方公共団体だけでなく、医療関係者に負わせるのは大きな前進である。例えば、生まれた子供の低体重の問題がある。出生児平均体重は、1975年の3200グラムから、2012年の2950グラムまで落ちた。これは、やせ形の女性が増えたからというよりは、むしろ医療供給者側で「小さく生んで大きく育てる」を強調し、妊婦の体重管理を厳密に行い、難産になりやすい大きな赤ん坊を避けたのが原因ではないかと思われる。
 同様に、統計学的に有意なまでに帝王切開が増えているが、これも、難産を避ける医療供給側の原因が大きいと思われる。難産で障害を負った場合、訴訟になりやすく、医療供給側でそれを避けようとするのは責められないし、産科医がそれゆえに減っているのも、別の手立てを考えねばならない。少子化は家庭の中でも進み、子供がたくさんいれば障碍児も受け入れられたが、数限られた子供の場合には、許容範囲が狭まり、いきおい訴訟へと向かうことになる。これも少子社会の現実だ。
 成育基本法は、マクロでばかりとらえられてきた少子化をミクロの視点で、質的向上を目的とする、その理念は優れている。しかし、以上のほんのいくつかの問題に解答が出せるほどの具体性はない。医師会など業界から発想したことは奇特だと思うが、他方、民主党政権時代は議論が止まり、医師会が政党として自民党を選んで立法しようとしているのはいささか気になる。今の野党では話にならないと言うのは分かるが、結果的に医療供給側保護に回らぬよう、また、医療・福祉関係者の好きな、フィンランドの子育て制度など北欧の例が神格化されぬよう願いたい。もっと万機公論に決すべき少子化の課題である。

[2018/07/13]
海洋国家日本は続くのか



 世界で一番肉を食べるのがアルゼンチンならば、一番魚を食べるのは日本である。だから、日本は海洋資源の研究開発に力を入れてきた。しかし、現在、海洋科学の予算を減らしているのは、世界で日本とロシアだけという情報がある。他方で、養殖を始め、猛烈に取り組んでいるのが、またしても中国である。
 一昨日、津田敦東大大気海洋研究所教授のお話を聴く機会に恵まれ、海洋研究は、実にダイナミックであることを知った。2007年までは、アメリカも日本も競って、海洋に鉄撒布をし植物プランクトンを増殖する実験を手掛けた。その結果、地球を冷却し、温暖化を食い止めようとしたが、生態系の問題や地球工学的に非効率などの理由で今は行わなくなった。2008年のロンドン条約で商業的海洋肥沃化は禁止され、日本もそのガバナンスに支配されている。海洋で日本は我が道をなかなか行けない、欧米に制止されることが多い。クジラの例を出すまでも無かろう。
 生態系や生物多様性を強調するグループが特に欧州には多く、その議論は難しい。津田先生自身が「なぜ多様性が必要なのか、人類を幸福にするのか結論は出ていない」と言われる。同席の学究から、「我々は多様なものを食べている。多様性を維持しないと、何かが絶滅した時に我々も死ぬことになる」と教示してくれた。なるほど。
 宇宙も海も知らないことだらけだ。同席の学究から「日本はもはや海洋国家とは呼べない」というほど海洋の研究開発や資源の争奪などで優位性を失っているそうだ。この流れは絶対に変える必要がある。科研費や科学産業化の予算は、社会保障費に比べたら目に見えないくらい小さい。骨太2018では、科学予算に触れていないが、予算配分のダイナミズムが求められている。

[2018/07/11]
医食同源



 一昨日、農業・食品産業技術総合研究機構の山本万里先生の話を聴く機会を得た。機能性農産物の開発研究を明快に、多岐にわたってご教示頂いた。超高齢社会で高齢者及びプレ高齢者の関心を集め、市場の需要も高い分野である。
 内臓脂肪減少効果のあるβグルカン大麦、認知機能改善効果の玉ねぎ、骨粗鬆を抑制するみかん、抗アレルギー作用のあるべにふうき緑茶など、食品であるだけに、人体で「治験」され、大きな効果を上げていることを知った。ならば、副作用の多い薬など要らないではないか、と誰もが思う。
 確かに、機能性食品は、薬の代替性が高く、また、特定保健用食品(トクホ)と違って、日常食として咀嚼して健康を保つ大きなメリットがある。ただ、いかんせん、機能性食品は高いのだ。先生が示した機能性食品オンパレードの弁当は6000円。これでは、結局保険のきく薬や、錠剤で割安のトクホに負けてしまう。
 先生によると、機能性食品開発の目的は、健康寿命と平均寿命の差約10年を2年縮めるところにあるそうだ。非常に意欲的な目標であり、健全でもある。薬が「治療」を目的にしているのとは大きな違いがある。ガンの治療が放射線や抗がん剤などの対症療法から免疫療法やDNA療法に代わっていくであろうのと似た発想である。
 我々は永遠に生きる生命個体ではない。平均寿命を伸ばすよりも健康寿命を伸ばすことを目的とし、しかも、食べるだけで健康を保つのであれば、生きる喜びも大きい。古の中国から伝えられる医食同源をまさに実現するのである。6000円の弁当が600円になる日を待つ。

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