元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2020/05/22]
ポストコロナ政権はいかに



 風雲急を告ぐ。緊急事態宣言は一部を除き解除され、その一部も遠からず解除になることが安倍総理の口から伝えられた。疫病対策から経済回復へ舵は切られたのである。
 コロナ発症数など数値が沈潜に向かっているのは事実だが、アジアや欧米の経済復帰に内閣が焦りを覚えているのも感じ取られる。しかも、内閣支持率は下がり、マスコミは日本政府は後手に回っている、対策費が不十分だと叫ぶ。
 それに追い打ちをかけるように、黒川検事長の賭け麻雀による辞任、河井前法務大臣夫妻の公職選挙法違反は内閣を揺るがしている。法曹界の不祥事は、コロナ対策の不明瞭さと相まって政権への逆風だ。
 安倍総理の顔から笑いが消え、疲労がにじむ。もともと疫病対策のような社会政策の人ではない。アベノミクスで知られる経済政策も本来の得意分野ではない。安倍総理は、国体の改造を目指していたのである。戦後レジームを見直し、独立国家日本が彼の目標だ。そのために憲法改正が必要だ。
 しかし、政権を放り投げた第一次安倍内閣の反省から、民主党惨敗後、安倍総理は、謙虚に周りを固め助言を得、経済政策に力を入れてきた。周囲も旧通産官僚で固めた。時を待って憲法改正のはずであった・・しかし、二度の消費税不況、そして思わぬ疫病流行に行く手を阻まれた。
 たとえコロナが終息しても、経済回復の政策は矢継ぎ早にやっていかねばならない。もはや、憲法改正ではない。東京オリンピックも中止の可能性が出てきたから、オリンピック頼みの景気浮揚は期待できないと見たほうがいいだろう。
 コロナ対策の真只中、つまり戦時中だから誰も言わないが、誰の目にも、政権バトンタッチが近い。では、誰が安倍政権を継ぐのか。もし西村経済再生大臣兼コロナ対策大臣が世の好感を得たならば、ポスト安倍を狙う絶好のチャンスだったのだが、吉村大阪知事に疫病退治の姿勢で負け、西村氏の株は下がった。西村大臣は元通産官僚、疫病よりも経済回復に浮足立つのがはた目にもわかる。
 本来なら、加藤勝信厚労大臣がコロナ大臣になるべきだが、内閣のスタンスが「命よりも経済」だから、加藤大臣は医療体制など銃後の戦いにまわされた。しかも、専門家会議と諮問委員会は官邸直結で、彼はサブの役割しかなかった。大蔵官僚出身の加藤氏よりも、通産官僚出身の西村氏のほうが、よくも悪くも動きが早いし、厚労省はそもそも行動が遅いので、加藤氏は臍を噛み、ポスト安倍の役回りは得られなかった。それでも、加藤大臣は田村元大臣とともに、歴代厚労大臣の中では好評である。
 西村氏や加藤氏の60歳前後の年代で、ほかに、岸田文雄政調会長、河野太郎防衛大臣が将来を嘱望される。岸田氏は宏池会の伝統で、ポストコロナの経済政策に手腕を振るう可能性があり、河野氏は、持ち前の意外性で国際社会での日本を回復させられるかもしれない。
 少し年代が上がるが、石破茂は、年齢的に最後のチャンスであろう。地方に強いのを生かし、コロナ後の地方自治に夢を与えることが期待される。問題は、以上の候補者はいずれもコロナに関して声を上げていないことである。この前代未聞の対策に、一家言を呈しないようでは、次の政権を握れるとは思えない。
 これに比べると、今回、知事の活躍は明快に伝えられる。府民を引っ張っていく吉村府知事、環境主義者でPR力の強い小池都知事。吉村知事は維新の会、政党を背負っているので、あるいは近い将来政権を担う一人になりうる。
 野党には今のところ期待できる存在はない。コロナは政権の花を枯らすだけではなく、最大のチャンスに独自政策を掲げることをしなかった野の花をも枯らした。
 
 

[2020/04/29]
コロナチャンス政策



 「毎日がコロナ情報」に浸る日本である。緊急事態宣言延長論が早くも出始め、欧米やアジアの国々に後れを取った感が無きにしも非ずという中で、コロナ状況をきっかけに、学制を9月入学に変える政策が浮上した。
 9月入学は、浜田純一元東大総長が熱心に取り組んだが、制度化に及ばなかった経緯がある。浜田元総長は、東大憲章に謳う「世界の視野をもった市民的エリートの養成」のためには、世界の大学に合わせ、9月入学にすることを主張した。
 その背景には、イギリスTHE(高等教育専門誌)の世界大学ランク付けがある。これによると、日本の大学で100番以内に入るのは、東大と京大2校で、2020年版では、東大36位、京大65位と欧米の大学、アジアの大学に差をつけられている。その理由は、両大学とも論文引用数や民間資金の導入では高得点を得ても、国際性の項目で劣るからである。
 国際性の項目には、留学生の数や外国人教師の数などが基準となるが、東大に集まる留学生は少ない。英語国ではないというデメリットが最も大きいものの、入学が4月では、空白期間ができるために学生は逡巡する。他方、日本人学生が留学する場合も、同じ問題があり、近年の留学減少傾向の一因と思われる。
 浜田元総長に対して、東大教員が集まって反対声明を出したこともある。既に多くの議論が行われたのである。日本では、海外での学歴は相対的に低く見られ、日本の大学学部で学歴が評価される傾向がある。アメリカの大学は自己資金を持って留学する場合は入学許可されやすく、近年入学が易しくなった日本の大学院とともに、学歴ロンダリングに使われることが多い。この一般的な認識の下では、留学のメリットは大きくない。
 議論が行われることは望ましいが、コロナでどうせ学期が遅れたのだからという理由では、コロナの終息も見えていないのに、雑な政策論である。それよりも、コロナをきっかけにこれまで長期を要する議論を避けていた政策に取り組むべきではないか。一つは、女性天皇制、もう一つは、年金改革である。
 年金は、1942年、戦争に行く労働者に向けて、あえて将来の安定を鼓舞するために積立年金制度として作られた。戦後、1970年、高齢者割合7%の高齢化社会を迎え、1973年改正の年金制度は、当時の社会に残っていた道徳「親孝行」をコンセプトに、世代間扶養の賦課制度を導入した。そのコンセプトは現行年金制度に生き続けている。
 年金制度ほど長期的な社会政策はほかにない。しかも社会を長期的に変える力を持っている。今その力を必要としているのは、少子化を食い止める制度的対応である。世代間扶養を転じて、三世代間扶養のコンセプトを採用すべきである。三代目、つまり、育てた子供の数に応じて、将来受け取る年金額が加算される仕組みである。
 保育所の整備や学校教育の無償化は少子化に対する積極給付であり、それはそれで良い。将来の日本を支える子供を育てた両親に「ご苦労さん給付」を設けることによって、目の前の必要な給付以上に、子育てした老後が報われる長期的動機付けは、実は大きく日本の社会を変えるだろう。
 親孝行という言葉はほぼ死語だが、年金制度にそのコンセプトが残っている。ならば、将来「子育てご苦労さん」のコンセプトを制度上残すことは望むべきだ。コロナ状況で仕事に苦しみつつ、休校中の子供を改めて自分の努力を捧げる存在と考えるならば、年金制度の転換に取り組むべきだ。

[2020/04/09]
疫病対資本主義



 非常事態宣言が発され、日本社会も疫病との戦いが始まった。筆者はインド滞在時代に夜間外出禁止令を経験し、shooting at sight(外出者を見たら発砲する)という強制力の強さに驚いたことがある。戦後の日本にはそのような事態はなかったし、そもそも戦時下に対応する法律もない。
 しかし、最早、平和ボケという時代ではない。日本は90年代のバブル崩壊から、非正規雇用や非婚、重なる災害による艱難辛苦に締め上げられてきた。その中で、戦時体制と思われるかのような不便な生活が始まったのである。首都圏では、コミュニティーの「広場」であるショッピングモールが閉鎖される。飲食店は自粛で活気を失う。
 学校は休校、仕事はテレワーク、非正規雇用者は自宅待機、その一方で、感染者が増えて対処できない医療崩壊の可能性が高まる。太平洋戦争を生き延びた人は少なくなりつつあるが、思い出される「欲しがりません、勝つまでは」「贅沢は敵」の再来である。
 この疫病との戦いは、近年とみに危機を指摘されてきた資本主義と民主主主義への挑戦でもある。新型コロナ対策に国は108兆円の予算をつぎ込む。1年分の国家一般会計予算以上の額だ(ただし、特別会計や融資を含むので真水ではない)。アメリカはそれより早く、220兆円の給付を決めた。どちらの国も紙幣を大量に刷れば可能だが、疫病後の社会がハイパーインフレになることは容易に予想される。
 まさに、疫病の資本主義に対するチャレンジである。戦争が資本主義に対するチャレンジであるのと同じであり、資本は国家目的の方向のみに使われ、人々の生活は抑制される。環境主義の小池都知事と通産官僚出身で資本主義の守護者西村経済再生大臣との対立はまさに事態を象徴する。「まずは疫病だ」の小池氏。「産業の活動を残しながら」の西村氏。
 エボラ出血熱はコウモリを食するアフリカの食文化が原因だった。新型コロナはまだ詳しいことは分っていないが、マレーシア原産で中国人だけが食するコウモリ科の動物が持つウィルスの可能性が高い。机以外の四つ足は全て食べると言う中国らしい文化によるのだろうか。
 発祥地の武漢では疫病封鎖の一部解除のニュースもあるが、世界は疑っている。その上、中国が開発したPCR検査キットも大量購入したイギリスで使用不可能であることが発覚した。また、コロナ発性の時に、中国の科学者は致死率の低いウィルスと判断したことが蔓延の原因だとも言われる。ただ、共産主義体制であるからこそ、都市封鎖など強制力を迅速に発することができたのも事実だ。
 疫病後の経済崩壊は防げるのか、ハイパーインフレは防げるのか、資本主義は崩壊しないのか、分からない。ここで思い起こされるのは、気候変動対資本主義の戦いも今回と同じ構造の戦いであるが、科学者の強い意向にもかかわらず、資本主義への配慮が先立ってきた。だが、疫病との戦いは、気候変動を凌駕する。気候変動が低温火傷ならば、疫病は眼前の火傷そのものだからだ。

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