元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2022/09/01]
解決は議院内閣制を廃止すること



 岸田総理に逆風が吹いている。自身もコロナ予後の青息吐息の中で「自民党と統一教会の関係を断ち切る」決意を述べた。しかし、大方の見方は「努力義務だろう、実効は上がるまい」だ。
 自民党は、創価学会のみならず宗教の力を借りなければ選挙ができないほど力が落ちている。世襲の坊ちゃん、なりたがり屋の坊ちゃんを押し上げてくれるのは、能力をあえて問わない宗教人しかいないのだ。
 自民党の議員は政府のトップになりたくて選挙に出る。正確にはトップの椅子に座って世の中を睥睨したいだけだ。片や野党は歳費が欲しくて選挙に出る。今や政権交代など絶望だと分かっていても、能力を問わない格好の就職口として選ぶ。
 根本的解決は、議院内閣制をなくすことにある。専門知識も現場経験も持たぬ議員が年数を経れば大臣になれる議院内閣制が諸悪の根源だ。腐敗をもたらす制度である。
 三権分立と言いながらも、その実は際立って行政府の権力が大きい。国会は国権の最高機関と憲法には書いてあるが、その最高機関にたどり着いた議員の目標は行政府の長になることだ。おかしいではないか。しかも、椅子に座って、官僚に書いてもらった答弁を読み、椅子は選挙に有利な道具の役割でしかない。本末転倒も甚だしい。
 岸田総理が本気で憲法改正をやるなら、9条改正の前に、議院内閣制を廃し、大統領制に変えるべきである。行政府の長である大統領は国民が選び、政党は問わない。各政党は政策論議を交わし、自党の推薦する大統領を候補にすればいいのだ。無論、政党の支援が無くても立候補ができる。アメリカのように1年にわたる国民的議論の中で、スーパーな人物を大統領に選べばよい。
 議院内閣制は無能隠しの制度であり、大統領制はあからさまに能力が問われる制度である。そして、大統領はその道の専門家を閣僚に任命すればいいのである。アメリカのように、財務長官はトップ経済学者のイェレン、国防長官は陸軍大将のオースティン、国務大臣は外交官ブリンケンと、その道のプロばかりだ。
 一方、議員は、大統領制の下では自ら法律を立法しなければならない。議院内閣制の下、官僚が作る内閣提出法案がなくなり、本来の役目に戻るのである。一人一人の能力が問われ、官僚をうまく使いこなせるかもその能力のひとつになる。官僚は、新大臣が就任すると「バカが来た」「今度のは少しマシだ」とあからさまなコメントをしているのが現実だが、立法力のある議員には支援を惜しまないであろう。霞が関劣化の処方箋にもなる。
 岸田総理よ、安倍氏の国葬をやって150年の長州足軽政治にピリオドを打つことができるか。吉田松陰を松陰神社に祭ったように、安倍神社まで作るとよい。しかし、自民党の立て直しは無理だ。議院内閣制の廃止で、150年の芥(あくた)を捨て去り、危機の日本を救うカリスマ登場が望める大統領制に移行すべきである。



 

[2022/08/11]
自民党の運命は鎌倉殿



 久しぶりに見る大河ドラマである。鎌倉殿13人は、脚本家三谷幸喜氏の才能躍如により、現代政治につながる面白さを伝える。
 頼家と実朝は源頼朝嫡出の長男・次男である。二人ともいわば現代流の世襲政治家である。18歳で武士の棟梁鎌倉殿に就いた頼家は、父の壮絶な人生を真似ようにも経験不足な上、周囲をないがしろにして、終局は外戚北条氏によって暗殺される。
 次男実朝は12歳で鎌倉殿になり、政治は任されず、歌に耽る。名歌を遺したものの、甥の公暁に暗殺される。源氏の支配は三代で終わり、北条の執権政治が続く。これを現代に当てはめれば、世襲政治家が政府を追われるドラマである。
 頼家は安倍晋三である。岸信介が子々孫々のために築いた政治家業と巨大な政治資金を受け継いだ安倍はひたすら岸の遺言を実行しようと努めた。しかし、頭脳明晰かつ満州の妖怪と言われた策士である祖父に遠く及ばず、凶弾に倒れた。
 実朝は岸田文雄である。三代続く世襲政治家であり、宮澤喜一の甥である彼は、ジェントルマンである。歌を詠むほどの文化人ではないが、安倍よりはいささか勉強している。安倍暗殺事件に恐れおののいたか、国葬を決め、内閣改造でも安倍派への配慮を明確に示した。
 退屈極まりない派閥均衡新内閣の上に、新しい資本主義のキーワードのかけらもない施政ぶりで、岸田政権は支持率を落としている。政策集団であった岸田率いる宏池会は死に絶えたようである。ウクライナ戦争後の、コロナ後の日本をどうするのか不明であり、いつどこから公暁なる刺客が現れてもおかしくはない。
 世界はインフレと気候変動への対処を迫られ、核戦争への恐怖をあおられている。頼家・実朝が如き世襲政治家の器量で乗り切れる状況ではあるまい。今年は、世襲政治の終わりの始まりを示唆する年である。同時に、世襲政治を産んできた長州足軽政治の終焉でもある。
 しかし、野党に期待はできない。野党は御家人株を買いたがる農民でしかない。武士の華々しさに憧れ、万年野党で高額所得さえ維持できれば良しとする輩ばかりなのだ。自民党よ、今こそ世襲を排除し、150年続く長州足軽政治から脱却し、真実の保守を学べ。自害した西部邁の本でも読むがいい。
 筆者の勝手な解釈だが、脚本家三谷幸喜はそのメッセージを伝えているように思える。
 

[2022/07/19]
山上徹也容疑者は日本の安重根となるか



 安倍元首相が凶弾に倒れ死亡した事件は日本を震撼させた。あな、恐ろしや、2022年はウクライナ侵攻にとどまらず前代未聞の大事件が又してももたらされる年となった。あたかもコロナ騒ぎで先送りされた気候変動問題が沸騰したかのような情勢である。
 それにしてもマスコミの対応はウクライナ侵攻と同様、金太郎飴であった。ウクライナ侵攻は、今になってようやく単なる「ロシアは悪、ウクライナは善」の構図を打ち破る報道が少しづつ出てきたが、政治家は今もって「気の狂ったプーチンの仕業」と言ってやまない。地政学も歴史も学ばない世襲政治家と自称左翼の烏合の衆だからだ。
 山上容疑者に対しても、プーチンと同じく、宗教への恨みを安倍首相に向けた「気の狂った行動」と最初から位置付けてやまない。しかし、父と兄を自殺で失い貧困に喘いだ当容疑者の情報が少しづつ明らかになってくるとSNS上で若者の同情は集まった。しかも、本人は小児がんで失明した兄や妹に金をもたらそうと保険金をかけて自殺未遂までした状況に追い込まれた人なのである。
 彼はマスコミの言う「狂った人」ではない。報道されている彼の手紙によれば、宗教への恨みを安倍首相に向けたのは社会への影響力の大きさを考えた上であった。もともと頭がよく、論理的に考え、兄妹や、本来ならば一番責められるべき母親への情も厚い人間であったことが明らかになった。抵抗せず、淡々と逮捕されている彼の様子を見ると「仕事をやった」という姿であった。
 この姿は、1909年10月、ハルピン駅で前韓国統監の伊藤博文を銃殺した安重根に重なって見える。安は、今でも、筆者が訪れた釜山の韓国料理店で英雄として崇められた写真や書が飾られているように、一部の韓国人にとっては韓国独立の英雄である。皮肉なことに、翌年処刑され、その年に日韓併合が成立することになった。
 安は両班(支配階級)の出身で、キリスト教の洗礼を受け、受刑中に日本人のファンができるほどの人徳者だった。天皇を尊敬し、そのしもべであるはずの伊藤博文の施政が間違っていると言うスタンスをとった。山上容疑者も、もともとは父は京大工学部卒の豊かな家庭の出身であったが、母の宗教への献金が一家を窮地に陥れた。彼は、むしろ安倍政治に賛意を示していた考えの持ち主であった。したがって、安と山上の二人はよく似ている。
 これが左翼の犯罪であったなら、マスコミは「狂った人扱い」を止めたであろう。漫画程度の理屈で理解されやすいからだ。しかし、深読みすれば、経済的に転落すれば一挙に教育もままならず、自殺も選択肢に入り、生きづらい世の中の立て直しにテロという手段をとるまでに至ってしまったと言える。宗教の責任の背後には政治の責任もあることは否めない。
 岸信介は笹川良一、児玉誉士夫、文鮮明などと反共思想を通じて親しかった。インドネシア賠償についてもデビ夫人を動かして人脈を得たと言われるが、これらの人々と岸の膨大な資産との関連は処々で書かれている。すると、岸の孫であり岸の継承者を自認していた安倍元首相は山上容疑者の標的になってもおかしくはない。無論、許されざる暴挙ではある。
 生きづらい世の中を創った政治、転落の無い数世代に渡る資産を作り続けた世襲の政治家は、少なくとも80年代までの一億総中産階級から転落した多くの日本人にとって「敵」であることを、この機会に永田町で認識すべきである。
 蛇足だが、安重根の死刑執行に当たった関東郡督府の都督は奇しくも安倍晋三の高祖父である。
 
 
 
 

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