元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2023/05/27]
日本ネットワークをつくれ



街はコロナから目覚めたように活気づいてきた。人出が多く、株価は上がり、外国人観光客の姿が増えた。しかし、まだ多くはマスクをしている。これが日本だ。世の中が変わっても、身の保全は第一であり、多くがマスクをしている同調圧力に従う。
 明治維新から敗戦までの77年と同じ月日が経ち、今年78年目に至る終戦後は終戦までの末期症状と同じ症状を呈してきた。1930年代の首相暗殺、日中戦争の始まりと同等の事象が起きている。安倍元首相の暗殺、対中国防衛のための軍備増強。
 成功者と観られていた、歌舞伎役者の自滅、市議会議長の息子の反乱、首相息子の酔狂は、一言で言えば旧来のモラル崩壊だ。今の日本の一番の成功者は大谷翔平なのか。否、良くも悪くも日本の経済と株価を動かす孫正義ではないのか。
 孫氏はもともと日本人ではない。だからこそ力を発揮する。旧来のモラルとは日本特有の同調圧力であり、悲しいことに、たまたま成功した高度経済成長期と同じ同調圧力に巻き込まれたままだ。日本を変えるのは、日本人ではできない。
 ニュースキャスターよりも影響力を持つのは芸能人やスポーツ選手であり、多くの韓国・朝鮮系が活躍する。日本の怠惰な同調圧力に屈せず、志をもって生き、彼らの強いネットワークが日本を変えていくしかない。終戦後、日本に希望をもたらしたのは、吉田茂よりも力道山だったことを考えれば肯ずることだろう。
 中国も世界にネットワークを張り詰めている。華僑ネットワークだ。もともと宗族(拡大家族集団)の国だから、海外にわたっても、そのアイデンティティは失われない。中国政府はこれをうまく利用している。今頃になって、オーストラリアは中国網に神経をとがらせ、その拠点でもある孔子学院を潰すことに躍起となっている。
 インドも昔から印僑は華僑よりも一枚上手だとの自負を持ち、ビジネスのみならず、国連機関でも成功してきた。英国の医師の半分はインド系と言われるし、アメリカに渡ったIT技術者は超高給取りである。インド特有のカースト間の見合い制度により、インド本国から嫁を取り、インド文化を失うことなく、そのネットワークも凄い。
 世界を股にかけるネットワークを歴史的に築いてきたのはユダヤ人である。ダイアスポラ以来、世界に散らばり、迫害を受けつつも、学問と経済において成功を収めてきた。迫害に備えて、ネットワークでは、宝飾品を買った値段で引き取る組織もあり、互いを助け合ってきた。移民の人数としては少ないが、アメリカの経済を牛耳っていると言われる所以である。
 翻って日本を考えよ。世界に何のネットワークもない。日系人はフィリピン人ほどではないが、中国人よりも白人と結婚する割合が高く、現地に同化する。チャイナタウンのような規模のものはできない。日本は日本でしか生きられない、新たな時代に挑む志の少ない民族であることを念頭に置いた方が良い。
 日本が国際社会で活躍するには、日本独自のネットワークを持つ必要がある。ほぼ外務大臣の経験だけで総理になった岸田首相に、少子化政策など内政の問題解決は無理だ。だとすれば、海外ネットワークづくりを始めるべきだ。どうせ防衛費を増額するなら、アメリカの高額な兵器を買うのではなく、インテリジェンスサービス機関を整え、世界に人を派遣せよ。
 中国、北朝鮮、ロシアの東アジア情報をいち早くとらえることができたなら、日本は旧来のモラルを脱ぎ捨て、新たな発展に向かう。
 

[2023/04/16]
土壌の学問に驚く



 陽捷行(みなみかつゆき)先生(北里大学元副学長、名誉教授)のお話を聴く機会を得た。ご専門の土壌学に一片の知識も持たぬ筆者が気候変動を探る趣旨の一環として臨んだ会議であったが、驚きの情報であった。
 我々人類は1万年前から文明を発祥し、人間圏を創ってきたが、人間圏は人智を育み、現今ではAIなる人智を越える存在と共存すべく地球上の80億の人間が世界に棲む。その人間圏のど真ん中にあるのが土壌圏であり、大気圏、生物圏、水圏そして地殻圏とともに地球という「生命」を成し、気候変動によってその生命が脅かされている。陽先生の言である。
 地球を覆う土壌は平均18センチ、水は11センチ、オゾン層は3ミリ、酸素を供給する対流圏は15キロという薄皮の中に、人間を始め500万種以上の生物が棲んでいる。環境問題の真実と本質はこの薄皮の中にあるのだが、「環境」は科学よりも政治で捉えられ、まさに真実と本質に無知のまま我々は過ごしていると言う。
 陽先生と同じ北里大学の特別榮譽教授、大村智先生は2015年にノーベル賞を受賞されたが、これは土壌の微生物の研究から抗寄生虫薬イベルメクチンを創成した業績によるものである。先生はどこに出かけても土を持って帰って研究されたことを語っていた。
 土壌に含まれる微生物と人間の腸に含まれる微生物は類似の存在であり、土壌の健康と人の健康は同一のものである。土壌から作物と酪農へ、そして人間へと健康は一つの鎖で結ばれていると陽先生は言う。実際に、野菜などを口にしながら、人間は土壌を食べているのだそうだ。
 土壌由来の微生物が腸を経て脳に及び、成分であるドーパミンが喜びを生み、アドレナリンが怒りを起こす。土壌微生物によって我々の心と体の健康は保たれる。肥満やアレルギーも微生物が原因であり、足の下の土壌から我々の体に入ってきたものである。
 昔から言う医食同源は医・土壌同源とも言い換えられるが、医学・健康学に革命を起こすのが土壌学であろう。陽先生は、知的三大科学革命と言われる地動説、進化論、精神分析学の次に、四番目として土壌学が科学革命を起こすであろうと予測されている。
 気候変動以上に、長年医療行政に関わってきた筆者としては、今回のお話に欣喜雀躍した。切った貼った、遺伝子治療などを越えて、土壌学がもたらす医療革命に期待してやまない。気候変動以上に医学への貢献を望んで然るべきである。

[2023/03/22]
平岡秀夫氏(衆院補選山口2区)を応援する



 安倍元首相の逝去、岸元防衛大臣の引退に伴い、山口県では、4区と2区でそれぞれ衆院選の補選が行われる。4月11日告示、23日投票である。
 2区の自民党候補者は岸信千代氏で、父・元防衛大臣の後を継ごうとする。これに対抗して、平岡秀夫元衆議院議員かつ元法務大臣が、今般は無所属で出馬する。この選挙はG7広島サミットの直前に、岸田政権の是非を問う選挙として観られているが、実はもっと深い意味がある。
 言うまでもなく、山口県=長州は150年以上に及ぶ藩閥政治の人材を担ってきた地である。伊藤博文に始まり、安倍晋三まで全都道府県最多の8人の総理大臣を輩出した県である。山縣有朋や岸信介を思い浮かべる人も多かろう。このことは、近代国家日本の揺籃期から継続してきた、ある種の誤謬が綿々と受け継がれていることを意味する。
 誤謬とは、武家社会を崩壊させ、長州を最上階に置く新たな身分制度を150年の政治史において定着させたことだ。士農工商に代わって長州閥及び平民の二層の政治における身分構造が政治家の世襲を産んだ。勿論、本家は長州の岸家、安倍家だが、類似の身分には、近年の麻生家、小泉家、河野家、岸田家などが加わる。
 つまり、世襲政治、家業としての政治が長州をオリジナルとして作られたのである。家業としての政治は、血族による継続にこそ意味があり、志を遂げる政治とは程遠い。安倍元首相は志のある政治家に見えたが、実は創始者岸信介の遺言の実施を志としたのであって、彼が生きた時代に即したわけではない。
 身分の継続のためには、一応民主主義国家である以上仕掛けが必要だ。安倍元首相は積極的に娯楽番組に登場したが、庶民を装う為政者を好感度をもってコメントするタレントやスポーツ選手が増えた。誰も政治の専門家ではない。放送法の顛末をめぐっての議論は、老舗の悪口を言わせない、老舗は理屈無く老舗だからよいのだを庶民に納得させるために起きた。
 平岡氏は長州の出身ではあるが、藩閥とは無関係の庶民の出だ。大蔵官僚、弁護士という近代的職歴の中で政界まで届いた人だ。平岡氏が闘うべきは、家業政治家を長州のみならず政界から一掃することだ。政治が家業では、借金の先送り、大親分アメリカの追随以外のことはできない。
 平岡氏は、政党の公認を受けず、連合=労働組合の応援も受けない。労働組合は、別の意味で身分制度の最上階にいる「労働貴族」だ。世界に遅れた経済成長や少子化の原因である非正規雇用には冷たい。この新セレブに支援される政党は藩閥政治に有効な対抗ができない。平岡氏は眼前の敵、背後の敵の両方に戦いを挑むことになる。
 最近では、徳川幕府の転覆にはイギリスが暗躍したことが明らかになり、司馬遼太郎の維新の志士による討幕は誤解を招く歴史観であることが指摘されている。藩閥政治がやったことのすべてが悪いわけではないが、今という危機的な世界状況の中で、家業政治家だけは退いてもらいたい。その先鞭を平岡氏につけてもらいたいのである。
 よって、筆者は平岡秀夫氏を応援する。
 

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