元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2017/12/09]
男女平等社会のイノベーション



   憲法14条、24条が男女平等を制定してから70年である。憲法と同時に民法改正、教育基本法及び労働基準法が男女平等の趣旨を戴して制定された。このうち、労働基準法だけは女子労働保護の規定とのバランスで男女平等の条文を入れることができなかったので、国連の女子差別撤廃条約の批准のため、1985年、男女雇用機会均等法がつくられ、遅ればせながら、家庭、教育と並んで、労働分野でも一応の男女平等の制度が整った。
 社会には成り立ちというものがあるために、家庭でも、教育でも、制度が変わった後、真に平等となるには時間が必要であったし、今も完全に平等とは言えない。それでも、大学進学率ひとつとっても、女子は男子に比べ遜色ない状況にあり、戦後70年かけて。女性の生き方は極めて自由になったことは誰も否定しないであろう。
 ところが、女性にとって結婚は生きていくのに不可欠ではなくなり、子供を持つことも必然ではなくなったため、出生率が劇的と言えるほどに落ち、人口減少社会を我々は経験している。これも男女平等の政策の成果あるいは結果であろう。
 内閣府が出す男女共同参画白書は、失礼ながら、毎年同じ金太郎飴のような内容であり、そろそろ新たな目標、目指す新たな社会を明らかにしなければならない時が来た。旧労働省が男女雇用機会均等法を制定して大きな仕事を終えた後、1994年、総理府(現・内閣府)に男女共同参画社会推進本部(本部長は総理大臣)ができ、主導権は労働省から総理府に移った。それまでの男女平等から、新たに男女共同参画という言葉に移ったのも、この時だ。
 1999年に制定された男女共同参画社会基本法第2条によれば、男女共同参画社会とは、「(前略)男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担うべき社会」をいう。この文言には、草の根の感覚は感じられないし、男女で成る社会の上部構造の在り方だけを決めたように思える。エリート女性を生み出すための趣旨ではないかと誤解される可能性もある。
 この言葉が生み出された1990年代は、男女平等政策が右上がりの時代で、総理府が力を入れた仕事は、女性初の○○を作ることだった。現に、女性政治家が育っていないため、民間から女性の大臣を抜擢したり、防衛、警察などの分野に女性の採用を進めた。なりほど、それこそが男女共同「参画」なのだと初めて言葉の意味が分かった次第である。
 それは、一定の成果を上げたかもしれないが、民間はついてこなかった。利潤追求が企業の目的であれば、営業能力に関わりなく女性をトップにつけるわけにはいかない。せいぜい永田町や霞が関でしか通用しない政策なのだ。
 地方もまた、男女共同参画社会基本法の後に条例をつくるように促されたが、都道府県条例の後、市町村は、中央とは異なる趣旨の内容を定めた。「男らしく女らしく生きるための条例」だ。中央のエリート役人と田舎の温度差を明確に知らしめることになった。これに対して、内閣府は「地方のことは地方の議会が決めればよい」との国会答弁を以て応えた。バックラッシュの始まりである。以後、今日まで、男女共同参画の政策は下降線をたどっている。
 社会にあって男女平等の論客だった上野千鶴子さん等学者は、このテーマよりも高齢者にテーマを移すなどして、論壇も盛り上がらない。それもそのはず、もう女性初の○○作り政策は、古い手法で多くの人の関心を引かないのだ。若い女性はソッポを向いて、保守化し、内閣府が忌避してきた専業主婦志向も出現している。
 リーダー不在のこの分野で、今なすべきことは、女性自らの発想で、少子高齢社会を解決する男女平等の在り方を問い、政策哲学を構築していくことだ。女性初の○○よりも、女性の多い職場で、例えば保育や介護の職場で女性に十分な報酬がもたらし、誇りを持って仕事ができるようにすることだ。ウーマンリブの始まりは性の解放だったが、それは行き過ぎたから、むしろ「お母さん」となる夢と誇りを肯定することだ。
 そして、女性の言う「ガラスの天井」は一種の甘えと見るべきだ。天井はいつも見えている。自分の能力の限界、競争社会の常、ひいては職業モラルを身に着けているかどうか、それらを知ることによって、ガラスの天井なるものにぶつかることはない。
 男女共同参画という名の政策は既に古い。憲法の両性の平等、つまり、男女平等の文言に立ち返って、新たな男女平等社会を構築すべきだ。男女平等社会のイノベーションに、私も臨む。

[2017/11/30]
北欧のバイタリティに学ぶ



   今週、仙石慎太郎東工大大学院准教授の「バイオクラスターの北欧モデル」についてお話を伺う機会を得た。北欧のメディコンバレー(ライフサイエンス産業集積)を検証し、条件が近い関西のメディコンバレーとの比較を論じた。
 北欧メディコンバレーはデンマークと南スウェーデン地域を擁し、デンマークだけでもGDPの5%を占める巨大なビジネスである。コペンハーゲン大学、ルンド大学(スウェーデン)、それにビールで有名なカルスバーグ社を始め400社が中心となって造られたこのバイオクラスターは、MVA(メディコンバレー同盟)と呼ばれる参加企業から成る集団がガバナンスを行っている。
 つまり、民間から、地域からすべてが造られたクラスターであり、仙石先生のご意見では、特にカルスバーグ社の力は大きいとのことである。デンマーク、スウェーデンの両国から5年間の公的資金コミットメントを得たのはひとつの成果だが、基本は、民間・地域の自立運営である。
  関西メディコンバレーも企業が中心で動いている。大阪、京都、神戸の広域にわたるこのクラスターは、歴史的に大阪の薬種中買業、京都の精密加工業、灘の酒造業を活かして発展してきた。経産省の産業クラスター計画、文科省の知的スラスター造成事業の対象でもあるが、地域産業、地域行政が主導で進められてきた。
 これまでの日本全国のクラスターについて見ると、特区方式も含め、地元企業の主導が成否を決めていると思われる。成功している中で、けいはんなも然り、北九州も然りである。逆に言うと、つくばのように国の資金だけを当てにして企業参加の弱い地域は、クラスターが成功することはなかった。
 明治以降、藩閥政府が西日本から出てきたせいもあって近代日本の経済発展は西日本を中心に作られてきた。東日本、特に東北はインフラ整備で大きく遅れた。そのことが、東と西の現在のバイタリティの差をもたらしている。東日本大震災の回復の遅れも、この理由で語られる。
 翻って、欧州では、北にあって小国であるはずの北欧が、社会保障でも、教育でも、環境でも、開発援助でも、そしてメディコンバレーに見るバイオ産業でも、トップを走る。北欧のバイタリティはすごい。冬は午後3時くらいから真っ暗になる重苦しい国なのに、人々の合理性とバイタリティはすごい。日本の東北も、元気を出そう。東北は、人口減少が激しく、インフラ開発、社会開発に貪欲さが足りない。
 東北が日本の北欧となったとき、日本の新たな発展が始まるだろう。
 

[2017/11/22]
バラマキと安保



   一昨日、多部田茂東大教授の海洋利用のお話を聴く機会を得た。世界では、中東紛争やトランプ大統領の出現で地政学回帰の現象が起きているが、海洋国家としての日本は、資源、エネルギーそして食糧のための海洋利用が地政学的政策になるはずだ。日本の国際社会での地位を考える時、最も重要な施策と言っても過言ではない。
 しかし、自然エネルギー開発においても、我が国の方針が明確でなく、脱CO2の欧州、大きな需要を背景に自然エネルギー開発を積極的に仕掛ける中国に大きな後れを取っている。最近のドイツのCOP(環境会議)から帰国した人の話によれば、欧州の記者団は日本を全く相手にしないとのことだ。
 海洋では、一時期騒いだ油流出の問題は減ったものの、富栄養化、乱獲、海洋酸性化、海洋ゴミの問題が深刻化し、陸地と同様、海水温が上昇していて、魚類やサンゴへの影響が報告されている。科学・技術もこれに対応して、大規模沖合養殖、海藻場を使った炭素固定(いわゆるCCS)、メタンハイドレートの採掘、潮流発電を始め再生可能エネルギー開発、海洋深層水利用など、多くの研究開発が行われている。
 問題は、その研究開発が、国策として大々的に行われていないことだ。筆者が議員時代に、メタンハイドレートは、7千億の投資をすれば飛躍的に進められると聞いたが、その後政策の重点になっていない。当時提案された宇宙太陽光発電も。岩手県が敷設候補のリニア・コライダーも7千億から1兆円の投資が必要と言われていたが、いずれも着手されていない。
 他方で、教育無償化は2兆円の予算が毎年組まれることになる。選挙のためのバラマキは優先されるが、国の生き残りに最も重要な国家的ベンチャーを叫ぶ大物政治家がいない。また、トランプ大統領訪日の際に、アメリカの先進兵器を買うことが即決されたが、なぜ自然エネルギー開発や海洋開発は「即決」されないのか。
 バラマキと安保だけでは近視眼の政策だ。この国の中長期的な発展をめざし、自然エネルギー、海洋開発を最優先に投資しなければ、国は亡ぶ。絶対に滅ぶ。

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連載小説
民主党を辞めた理由
新しいつくばをつくるみんなの会
アーカイブズ内容
 孫のいない時代 [2015.4月〜2016.2月]
 第二の性を生きる [2014.11月〜]
 老人大陸の平和 [2014.7月〜]
 少子高齢と地方 [2014.4月〜]
 ザ・コーセーショー [2014.2月〜]
 戦後生れの終戦後 [2013.12月〜]
 死生観と行政 [2013.10月〜]
 団子より花へ [2013.6月〜]
 長寿の涙 [2012.1月〜]




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