元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2020/12/02]
恐るべし学術・教育軽視



 日本学術会議の任命拒否問題は収まらない。そこへ安倍元総理の桜を見る会における虚偽発言が浮上し、菅総理の官房長時代の責任も問われている。菅総理の足元は既に崩れ始めた。
 当初の「苦労人である令和おじさん」の好イメージは、周囲やマスコミの「答弁になっていない。分っていない」の論調や、海外からも「輝きがない」と伝えられるなど負のイメージに代わりつつある。従来から、突然の政権継承は好意的にみられることはないのが事実だ。宇野宗佑や森喜朗を思い起こせば、「まぐれで総理になった人」への風当たりは強い。
 なぜまぐれは揶揄されるのか。その政治信条が測りかねるからである。かつて派閥争いの中にあった自民党政治では、派閥内で政策論を交わし、派閥の長は政治目的と識見を明らかにし、総理になる準備を十分整えてからその地位を得た。
 だから、中曽根康弘や加藤紘一の書いた書は読むに値した。どんな政治が行われるか予想できたからである。しかるに、今は、出たとこ勝負、好き嫌い、枝葉末節がそのまま政治になっている。一体、疫病で荒廃しかけているこの国をどう立て直すのか、その中心の柱が見えてこない。否、ないのだ。
 戦後の日本政治は、国際社会に復帰するための吉田茂外交や安保体制の確立をさせた岸信介の政治を除けば、おおむね、経済政策が最重要であった。直近の安倍総理も、憲法改正を強く望みながら、アベノミクス総理の名で終わった。
 この国の基盤となる憲法や学術や教育まで政治の力を及ばせるには、経済政策が成功し、なお余力のある総理でなければできない。歴史的には、中曽根総理は、ロンヤスの日米外交、国鉄民営化の大事業に加え、戦争に行き身近の人間の死を経験した者の思いとして「戦後政治の総決算」を掲げた。(マッカーサーによって作られたと考える)憲法改正を主張した。
 さすがの中曽根総理も自分の代で憲法改正までは難しいと感じていただろうが、憲法の精神を普及させる教育の改革を自分の本命とした。1984年に設置された臨時教育審議会(臨教審)で3年の議論の後、その成果は必ずしも中曽根が狙ったものにはならず、生涯教育や個性の重視という価値を確認した答申になった。したがって、これは中曽根総理の業績に挙げられていない。
 しかし、このことを今思えば、森、安倍、現在の菅総理の衣の下から垣間見える「戦前回帰」を中曽根総理は潔しとしなかったと評価できる。戦友の死を悼みつつも大正デモクラシーに育った大正生まれの中曽根総理の人間性躍如である。
 さて。3度目の補正予算を控え、政府の借金が膨大になる中、飲食業、アパレル業、旅行業などのコロナ打撃の大きい産業、非正規雇用や母子家庭などの社会的弱者の生活困苦が見えてきたが、経済政策は今だ明らかではない。菅総理は、新自由主義の竹中平蔵氏を「復活」させたが、この国難をどう乗り切るのか早く道標を掲げるべきである。
 菅総理にとっても、まずは経済政策、それもコロナ対策との均衡をどうするかが一番の課題である。およそ憲法・学術・教育には、力及ぶまい。そんな中で、日本学術会議問題にみられる総理の学術、ひいては教育軽視は、日本の将来をますます暗闇に向かわせると信ずる。
 

[2020/11/25]
隣は何する人ぞ



 コロナでテレワークになって初めて、近所の存在に気付いた人も少なくない。ゴミ出しで会った近所の男性の存在や生業を図らずも知ったりする。都会でもかつてはあった近所の年始参りやおすそ分けなどは消滅した。昔は当たり前だった、宅配便が近所に荷物預かりをお願いするなどはありえない。
 郡部では、今でも近所づきあいは色濃く残っている。数世代に渡るご近所づきあいや葬式などの互いの助け合いは、若い人には煩わしい関係である。話は飛躍するが、日韓関係とはまさに郡部のご近所づきあいに近いものではないか。祖父や曽祖父の時代からの愛憎の念を引き継ぎ、つかず離れずで向き合わねばならない関係である。
 その日韓関係は、今、冷え込んでいる。勿論、これまでも冷え込んだり回復したりの繰り返しであるから、事態を深刻に受け止めているわけでもない。しかし、昔ながらの関係に、米中関係を中心とした世界の動きが構造的に働きかけてきた。日韓関係だけを取り出した地政学はあり得ない状況の中で、これまでとは異なる解決方法が迫られている。
 日韓関係をこじらせた原因は、文在寅大統領の南北統一の野望である。彼は世界の大政治家になりたかった。東西ドイツ統一を成し遂げたヘルムート・コールのようになりたかった。アメリカがこれに手を差し伸べるように見えたが、トランプ大統領の気まぐれで終わり、今や北朝鮮にその動きのかけらさえもないことが明らかになった。それよりも、日米韓のGSOMIA破棄の脅しや朴槿恵政権以来の中国寄り政策などがアメリカの懸念を膨らませている。
 日本も韓国も今や最大の貿易相手国は中国であるから、その意味では中国重視は避けられない。しかし、韓国は、5世紀にもわたった李氏朝鮮が明や清の属国だった事実は重く、同じく属国だったベトナムとともに、対中国感情は元々よくない。文政権は革新政権として、財閥の立場からの貿易重視は考えないし、アメリカに対しても、日本のように後ろ盾とまで考えていない。
 文政権は、就任以降、経済を悪化させ、記憶に新しい日本の民主党と同じ運命をたどると思いきや、コロナ制圧に成功し、与党「ともに民主党」を選挙で圧勝させた。革新政党としては珍しい出来栄えである。自信をつけていることは確かだが、韓国内では世代交代が進んでいる。いわゆる86世代は進歩的で80年代に学生運動を経験し、今や国の背骨にあたる。全共闘運動の主役団塊世代の韓国版ともいえる。彼らは合理的で、アメリカからも中国からも距離を置き、中堅の先進国としての立場を望んでいる。南北統一に対してはクールだ。また、反日教育が施されても、彼らもそれより若い世代もインターネットで情報を取り、日本の実情を好意的に把握している。
 他方日本では、マスコミによる例によって「広く浅い」情報と知識で、「韓国は約束を守らない国だ。韓国が改めるまでは、日本は動く必要はない」という世論を作り出した。だが、女子中学生の間での韓国文化ブームなど、政治とは関係なく韓国を好意的にみている人も多い。
 さて。両国関係をどうすべきか。現在、中国の王毅外相が日本を訪問中だが、尖閣列島では火花を散らしつつも、中国は「政冷経熱」が基本だ。ここは中国に学ぶべきではないか。先ずは、日本の品質管理の良さと韓国の営業力を組み合わせ、世界の経済に寄与することから始めるべきだ。
 旧来の近所づきあいがうまく働くときは、お互いを見つめあうのではなく、お互いが協力して行う仕事がある時なのである。
 

 
 
 

[2020/11/13]
自然科学における「家族」



 コロナがもたらした外部経済の中でも、家族の価値の高まりは実感されていると言ってよい。家族は、家計を扱う経済学、家族社会学、文化人類学など主に社会科学分野の研究対象になっている。しかし、この度、ゴリラ研究の第一人者である山極寿一京大前総長のお話を聴く機会を得、自然科学における「家族」の意味を、ひいては、人間の特質を教示していただいた。
 競争社会に生き、強者が弱者を従え、共同体に愛着を持たないサルよりも、争わない群れの中で、家族が役割分担をしながら子育てするゴリラに山極先生の思い入れがあるようだ。だからこそ、人間の社会がサル化していくことを先生は警告している。
 ゴリラともサルとも違う我々ヒトを特徴づけるものは何か。それは、共感できるという資質だそうだ。人間の目にだけは白目があり、目の動きで相手の感情が読める。赤ちゃんは、絶対音感の能力を持ち、トーンを正確に聞き分けて感情や信頼を共有すると言う。この共感こそが人間の家族と社会の基盤をつくる。
 その能力を持った人間サマが、今や、発達した社会の中で、共感能力が減退し、優劣を競うサルの社会へ向かおうとしている。人間サマは経済的、社会的、生物学的(遺伝子工学が関係する)格差の増大をもたらし、社会の危機へと向かう。
 山極先生は、この傾向に多くの処方箋を提供している。他者を感動させる能力を持つグローバル人材たれ、大学教育は既存の知識ではなく未知の世界を教えよ、コロナ予防を意識しつつ、開かれた家族と人々のつながりを保て等々。詳細は先生のご著書を読んでいただくしかないが、先生のご提言に納得しつつも、日本社会の病は直ちに治癒するほど軽くはない。
 コロナ禍は確かに、家族や人々とのつながりの願望と必要性を高めたが、大方の予想では、自治体への妊娠登録から見ると、今年の生み控えがさらに少子化を深めそうだ。共感を基礎とした家族の減少は社会の劣化に拍車をかける。
 経済には期待して株価は高値を更新しているのに、コロナで罹患者差別や都会人差別や人種差別が増え、人間が共感を失い、人間サマへの期待感が低いのは事実のようである。せめても平和な家族と群れを持つゴリラを見習えないか。

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