元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2021/05/07]
ポツダム宣言受諾せよ



 ワシントンポストが5月7日、東京五輪は開催すべきではない、IOCの利益のためにバッハ会長は日本の開催を煽るが、日本は乗るべきではないと警告をした。先月、ニューヨークタイムスも同様の発信をしている。
 アメリカの代表紙が日本に最後通牒を通告しているようなものだと真剣に受け止めねばならない。五輪を優先せんがために、今回の緊急事態宣言も短期で終わらそうとし、結果的に再延長するはめになった。日本の希望的観測は見事に外れたばかりか、かつての悪夢を蘇らせる。
 かつての悪夢とは、ポツダム宣言受託の遅れである。ソ連は既に対日参戦を決めていたにもかかわらず、ソ連の仲介を期待し、また国体護持が保障されなければ受託はまかりならぬと逡巡し続けたのである。結果は、二発の原爆を落とされることになった。無意味な遅れが大きすぎる犠牲を生んだ。
 新型コロナの第4波は眼前に存在している。五輪開催が日本の健康と経済回復を壊滅させるのは火を見るよりも明らかである。それどころか、国内のみならず世界にウィルスを飛び火させる可能性も大きく、気候変動と同様、世界における科学的取り組みの努力を空しくする可能性が大である。インドの惨状をテレビの画像を見て遠すぎる対岸の火事と見る知性の低さに、国際的批判も免れまい。
 世論は7割が開催反対であり、自民党の中でも反対の声を上げる者が出てきた。五輪担当大臣が都知事を公然と批判するような手法の幼さも看過できないし、国の大事を任すことはできない。何よりも、苦労人を喧伝するも学問をおろそかにする一国のリーダーは恐るべしだ。
 ポツダム宣言を受諾せよ。党内でこの動きをリードした者こそ、次のリーダーとなろう。

[2021/05/02]
日本の育児の失敗



 日本の少子社会を招いたのは、若者の非正規雇用増加による結婚難、教育費用が掛かりすぎる、核家族化で育児負担が大きい、が原因の多くを占め、語り尽くされていると言ってよい。
 しかし、もう一つ問題がある。育児哲学の揺らぎである。戦前と戦後では、育児哲学は大きく変化した。「末は博士か大臣か」「親孝行」「三歩退いて師を敬え」は既に存在しない哲学である。裏を返せば、「偉くならなくてもいいから大学は出ろ、老親を養う必要はない、モンスターペアレンツは先生よりエライ」ということになる。この戦後の育児哲学の揺らぎこそが今一つの少子化原因となる。育児が誰をも幸せにしないからである。
 育児哲学の変化は経済社会の自然の流れ以上に、人為的な原因があったし、今もある。その原因と状況を育児の問題点として四点、以下に述べる。
 その第一は、戦後のアメリカの占領政策に端を発する。アメリカをはじめとする連合国は日本を徹底的に潰すつもりであった。しかし、49年に中華人民共和国が建国され、ソ連の原爆実験が成功し、翌50年に朝鮮戦争がはじまると、にわかに占領政策は転換を余儀なくされた。日本はアジアにおける共産主義の防波堤となるように、憲法九条の戦争放棄をしり目に自衛隊の発足が決まった。
 ただし、占領政策が180度転換したのは安全保障の分野であって、社会政策や教育政策は当初の意図のまま日本の価値観を捨て去るように実施された。社会政策では、戦前人口増大を目標としていた日本を潰すべく、48年に優生保護法がGHQのバックアップで立法され、翌年改正して経済的理由で堕胎ができるようになると50年から出生率は劇的に落ちた。優生保護法なかりせば、日本は欧米と同様、ベビーブームが十年は続いた可能性が高く、たった三年で終わったことが今日の急激な少子社会をもたらした遠因になっている。
 教育政策については、六三三四制の導入で高等学校ナンバースクールを廃止し、その意味は日本の教養主義を消滅させたのである。当時の高等学校の学生が好んで歌った「デカンショ、デカンショで半年暮らす」はデカルト、カント、ショウペンハウエルの哲学書を読む、つまり教養を身に着けることを表したものである。現在の高等学校は後期中等教育であり、今となっては大学受験のためでしかなくなっている。大学は専門課程が実質二年と短く、戦前の帝大三年の教育には及ばない。子供たちに活力を与える高等教育はどこにあるのだろうか。
 初等中等教育は、デモクラシーを教える機関となった。親も教師もデモクラシーの意味は分からなかったが、旧来の価値を家庭では及び腰に教えることになり、学校教育とのダブルスタンダードで戦後教育は始まった。
 そのダブルスタンダードで育ったのが団塊世代を始めとする戦後世代であり、その曖昧な団塊世代の哲学で育ったのが団塊ジュニア以降の世代である。現在の親となるべき年代は団塊ジュニア以降になるが、結婚しない、子供を持つのに躊躇する、育児に積極的な希望を見出さない世代でもある。
 第二に、占領政策とは別であるが、戦後アメリカ的なものは価値が高いとの風潮により育児にもそれが現れた。スポック博士の育児書が象徴的であり、日本では、66年に翻訳出版され、育児の指南書としてベストセラーになった。児童中心主義を謳うこの本は、赤ちゃんの自立のために親子が別室で寝るべきこと、泣いても抱き癖が付くから抱かないことなどを説いた。日本古来の添い寝や抱っこのスキンシップを否定したのである。
 また、商業主義で行われたのであるが、日本人がアメリカ人に比べ体格が悪いのは牛乳を飲まないからだと喧伝され、母乳を離れ、牛乳育児が流行った。岡山大附属病院の山内逸郎先生等の努力により免疫力のある母乳主義に戻された。しかし、スポック博士の育児書同様、スキンシップに欠く育児がかなり長い期間行われたことは否めず、このような育児方法で育った世代が子供を持つことに積極的になれるかは検証すべきである。
 第三に、女性や育児の在り方について、フェミニズムの一部から旧価値を攻撃されることも影響がある。男女の差はない、男も女も平等に育児すべきというのは、生物学的にみると極論のように思われる。むしろ男にはできない女の育児という仕事に誇りが持てるような制度的仕掛けが必要である。仕事も育児も両方が大きな価値あることと社会全体が受け止めるべきと思う。
 第四に、この欄でも紹介したことがあるが、京大教授の明和政子先生によれば、社会人類学では、ヒトは、他の霊長類と異なり、共同養育するDNAを持つという。人間は極端に未熟児として生まれ、複数の養育者を必要とし、特にお婆ちゃんは育児経験者として閉経後も生き延びる理由がある。
 しかし、核家族化した社会に必ずしもおばあちゃんが卑近にいるわけではなく、ないものねだりになる。そこで、保育所という共同養育の機関があるのである。保育所は近年、働く母親のための経済社会的理由で存在しているとみている人が多いが、それ以上に、共同養育のために必要な機関でもある。また、子供は子供を求め、兄弟姉妹の少ない現在では、子供同士が早く出会える場なのである。保育所はあくまで家庭育児の補完機能であるが、この重要な役割を報酬などの点で強化していく必要がある。
 以上育児に関する四つの問題点を挙げたが、ただでさえコロナ禍で産み控えが起きている日本が、育児大国となって少子社会を克服できるかどうかは、政治や社会の考え方次第である。
 

[2021/04/25]
新型コロナの不都合な真実と小池都知事



 新型コロナウィルス(COVID-19)の感染を抑制するために、本日から4都道府県に於いて三度目の緊急事態宣言下に入った。マスコミは既に政府のやり方に対して厳しい。「後手、小出し、これで収まるわけがない」と専門家の口を使って言わしている。
 菅首相も申し訳ないという低姿勢を貫いているが、今回の宣言終了予定の日の状況如何によっては、オリンピックの開催に影響が出るのは必至であろう。
 日本は相変わらずワクチン接種もPCR検査も欧米に大きく遅れている。DNAの関係で、欧米人に対しアジア人のCOVID-19罹患率が低いのは幸いしているが、経済回復とオリンピックの開催を焦る日本にとっては、OECDの直近の成長率見通しは、厳しすぎる。2021年成長率は、世界平均5.6%に対し、日本2.7、米国6.5、ユーロ圏3.9、中国7.8である。
 明らかに日本の政策は対コロナも経済回復もどちらも成功していない。菅政権にとってそれでも幸いなのは、野党がまともな政策提言できないままだからである。今後のウィズコロナ対策に対し、野党はゼロコロナという、子供でも笑ってしまうようなスローガンを掲げているのである。政府はダメだ、しかし、他に任せるところがないという状態はもう十年も続いている。
 各マスメディアでは同じような情報を同じように流しているが、COVID-19には、実はもっと大きな不都合な真実が存在する。エイズ発見でノーベル賞を受賞したリュック・モンテニエ博士(フランス)は、ワクチンの有害性を主張し、直ちにワクチン接種を止めるように発言をしている。
 ただし、この動きを後押しする学者や機関は今のところ不明だ。モンテニエ博士はかねてから、がん治療も放射線治療や抗がん剤の有害さを説き、免疫療法によるべきだという持論の持ち主である。自閉症や精神病も、免疫力を使う治療法を推進し、抗うつ剤などの有害性を主張してきた学者でもある。
 欧米では、これが不都合の真実だとしても、既に人口の半分以上接種済みの国もあり、喫緊の対策に後戻りは許されず、博士の進言にとり合うことはない。モンテニエ博士は「人間よ、物言わぬ羊になるな、羊はワクチンの実験でやせ細り、ワクチンの副作用は3世代後まで続く」と意見を述べている。
 科学の成果は時間をかけないと分らない。ひところ、子宮頸がんのワクチンの副作用が問題となり、中学3年生の女子への接種を任意接種に改めた自治体が増えた。今ではこの副作用は稀の中でも稀というのが定説化しつつあるが、子宮頸がんワクチンを阻んでいるのは、むしろ十代で性行為をすることを前提とした接種への倫理的な抵抗でもある。だから、解決は付いていない。
 COVID-19のワクチンが70-80%の接種率に達したとき、感染の連鎖は断ち切られる。今は、それが世界にとって何よりも必要なことなのである。不都合な真実はそのあとに検証するしかあるまい。
 だが、それよりも、オリンピックを開催できないときの不都合な真実とは何なのだ。利権がらみと思われても仕方がない。そうでないなら、明快な説明が必要であろう。やはり、ここは、人の命優先である。少なくとも、政治においてはそうでなければなるまい。
 日本の政治は、科学に耳を傾けず、利権を死守し、弱い野党に恵まれ(?)、世界でミャンマーに次ぐ独りよがりの状況にある。この政治の流れを変えられるのは、もしかすると、小池都知事がオリンピック開催中止を勇断することにある。それができれば、小池さんが抱き続けた野心―総理になる道も開けるかもしれない。

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